研究課題
腫瘍増殖に伴って形成されるストローマ組織において、PGが形成増強作用を発揮していることを報告している。多くのケモカイン系とその受容体の評価を行ったところ、中でもSDF-1がストローマの主要構成骨髄細胞の動員に役割を持つことが判明した。subcapsular領域におけるケモカイン系の発現を調べると、確かにSDF-1の発現が腫瘍接種に伴って、ごく早期から高まってきていた。COX-2および内因性PGの関与について検討すると、PG receptor内でEP3が最も高発現を呈し、マウスにcelecoxib投与した群においてvehicle群と比較し、リンパ節内subcapsular sinusにおける前転移状態(pre-metastatic phase)でのSDF-1発現の低下が確認できた。vehicle群において、リンパ節転移成立後のリンパ節のsubcapsular sinusにおけるSDF-1陽性部分は腫瘍細胞と一致しており、この部位が転移の温床となることが確認され、celecoxib群では有意に抑制されていることがわかった。DCsマーカーであるCD11c ・IDOとCOX-2・SDF-1を用いて免疫染色を用いて解析すると、DCsはCOX-2およびSDF-1陽性であり、vehicle群に比べるとcelecoxib、SDF-1 antagonist(AMD3100)、CXCR4中和抗体処置群のリンパ節内subcapsular sinusでの発現量が有意に低下していた。以上から、腫瘍接種という刺激を受け、premetastatic siteに遊走したDCsがSDF-1を産生し、premetastatic nicheを形成することが示唆された。in vitroで、このDCsにEP3 agonistを添付すると野生型マウス由来DCsからはSDF-1/TGF-βの分泌の亢進が確認された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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