現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Muse細胞は当初骨髄、皮膚で同定されたが本研究によって末梢血にも循環していることが新たに分かって来た。組織中にあるときは結合組織に孤立散在性にあることも分かった。結合組織はあらゆる組織に分布しており骨髄-血液-各組織の結合組織へと分配されていることが推察された。マトリックスとの結合様式も特異であり、線維芽細胞のように細胞がしっかりと接着しておらず、ごく限局した部位でマトリックスと結合しており球形の形を保って結合組織内にいることも新たに分かった。Muse細胞に発現するintegrinのプロファイルを得たので接着様式に付いて今後検討を進める。臍帯間葉形組織にも3胚葉分化能をもつMuse細胞があることが新たに分かった。組織恒常性においては慢性腎不全モデルにおいて血液に投与したMuse細胞が自発的に障害糸球体に生着し、podocyte, mesangial cell血管内皮に分化して修復と機能回復をもたらすことが分かった。これらに関しては現在revise中である。劇症肝炎(Iseki et al., Cell Transplantation, 2016), 脳梗塞(Uchida et al., Stroke. 2017 Feb;48(2):428-435.; Uchida et al., Stem Cells. 2016 Jan;34(1):160-73.) に関しては成果が発表された。これらの事から概ね順調であると思われる。
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