飢餓時に誘導されるオートファジーによりタンパク質の異化が亢進するが、その意義は不明である。本研究ではオートファジーで生じるアミノ酸がタンパク合成に使われる可能性を検討した。まずオートファジー不全肝で飢餓時の翻訳が低下することが判明した。しかし、飢餓及びオートファジー不全時の肝プロテオーム解析からは、飢餓よりも、オートファジー不全そのものの方がプロテオームを大きく変動させていた。さらに、飢餓時の組織内アミノ酸濃度に有意な差が見られなかった為、翻訳抑制はアミノ酸不足よりも組織恒常性の破綻による可能性が示唆された。
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