研究課題
1)転写共役因子TAZを抑制する低分子化合物の解析を行い、古典的Hippoシグナルを介して抑制する化合物については昨年度、論文発表したが、今年度は、従来知られていないメカニズムでTAZを阻害する化合物について解析した。結果、TAZの細胞核移送機構に関わる分子を発見した。2)転写共役因子YAP1を活性化しABL-YAP1-p73系を介して多発性骨髄腫細胞に細胞死誘導が起こす化合物を解析し、論文投稿した。現在、リバイス中である。3)筋萎縮治療に有効と期待されるTAZ活性剤をすでに報告しているが、300倍以上活性の高い誘導体を獲得した。又、構造類似性がない新しいTAZ活性剤にも筋萎縮治療効果があることを見出した。このことはTAZを活性化することが、筋萎縮治療に有用であるという私たちの主張をさらに補強する。これらの化合物をめぐって、現在、製薬企業と共同研究を交渉中である。一番目の化合物については既に特許申請したが、二番目の化合物については特許申請検討中であり、したがって、論文投稿はまだ行っていない。4)Hippoシグナルと密接な関係を持つ腫瘍抑制分子RASSF6がRas依存的にp53を活性化する分子機構について分子レベルでの解析を進め、RASSF6のRas結合領域がMDM2のE3 ligase領域に結合すること、RASSF6のC末領域がRas結合領域に対して抑制的に作用すること、Rasシグナルが入ると自己抑制が解除されRas結合領域のMDM2に対する作用が増強することを見出した。5)脂質修飾チャペロンUNC119がRasとRASSF6に結合し、Ras-RASSF6シグナルを増強することを明らかに、論文投稿した。現在、リバイス中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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