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2014 年度 実績報告書

C.エレガンスをモデルとした神経軸索再生制御

研究課題

研究課題/領域番号 26293063
研究機関名古屋大学

研究代表者

久本 直毅  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80283456)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード軸索再生 / C. elegans
研究実績の概要

平成26年度は主にSVH-1の解析を行った。これまでの研究から、SVH-1は増殖因子HGFと類似した因子としてHGF受容体ホモログSVH-2を活性化することにより神経軸索再生を制御していることが明らかとなっていたが、SVH-1が活性のあるプロテアーゼドメインを持っている理由についてはわかっていなかった。そこでSVH-1のドメイン解析を行ったところ、SVH-1がHGFに類似した増殖因子として機能するだけでなく、プラスミンに類似したタンパク質分解酵素としても機能するという、2つの異なる機能を同時に持つ因子であることを見出した。また進化学的な系統解析から、SVH-1が無脊椎動物に広く存在すること、そして脊椎動物ではこれがHGFとプラスミンという2つの異なる機能を持つタンパク質に分かれたことを示唆する結果を得た。なお、SVH-1の神経軸索再生因子としての機能は増殖因子の機能部分が担っており、タンパク質分解酵素の活性は必要でないことも示唆された。さらにSVH-1が、細胞外マトリクスタンパク質の分解を介して、線虫の生育を制御することも見出した。これらの成果はCell Reports誌に論文として発表した。さらに、神経軸索再生を制御する他の因子についても解析を行い、その進捗状況についてそれぞれ分子生物学会等において発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

SVH-1については論文として発表できた。また他の因子群についても順調に解析を進めており、学会等で発表している。

今後の研究の推進方策

今後はSVH-1以外の軸索再生因子の解析を進め、論文として発表する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] MAP kinase cascades regulating axon regeneration in C. elegans.2015

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov SI, Hisamoto N., Matsumoto K.
    • 雑誌名

      Proc. Jpn. Acad. Ser. B. Phys. Biol. Sci.

      巻: 91 ページ: 63-75

    • DOI

      10.2183/pjab.91.63

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The C. elegans HGF/plasminogen-like protein SVH-1 has protease-dependent and -independent functions.2014

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto N, Li C, Yoshida M, Matsumoto K.
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 9 ページ: 1628-1634

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2014.10.056.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Identification of endocannabinoid receptors regulating axon regeneration in C.elegans.2015

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov SI, Hisamoto N, Matsumoto K.
    • 学会等名
      6th international conference on Phospholipase A2 and Lipid Mediators
    • 発表場所
      Tokyo, JAPAN
    • 年月日
      2015-02-10 – 2015-02-12
  • [学会発表] 線虫HGF/プラスミノーゲン様タンパク質SVH-1は増殖因子としてだけではなく細胞外マトリクスを調節するプロテアーゼとしても機能する2014

    • 著者名/発表者名
      久本直毅、李春、吉田誠希、松本邦弘
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] 糖鎖修飾因子群による神経軸索再生制御2014

    • 著者名/発表者名
      加藤優桂、久本直毅、松本邦弘
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] セロトニン-Rho/cAMPシグナル伝達経路による神経軸索再生の制御機構2014

    • 著者名/発表者名
      丸山 裕生、Tanimul Alam、Paola Nix、Michael Bastiani、久本 直毅、松本 邦弘
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] Rhoシグナル伝達経路はミオシン軽鎖のリン酸化を介して線虫の神経軸索再生を制御する2014

    • 著者名/発表者名
      アラム タニムル、久本 直毅、松本 邦弘
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] Identification of two endocannabinoid receptors involved in regulation of axon regeneration in C.elegans2014

    • 著者名/発表者名
      Strahil Pastuhov, Naoki Hisamoto, Kunihiro Matsumoto
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] The Chaperone Complex BAG2-HSC70/HSP70 determines localization of C. elegans leucine-repeat kinase LRK-1 in the regulation of Axonal-Dendritic Polarity.2014

    • 著者名/発表者名
      Alam T, Fukuzono T, Pastuhov, SI, Fukushima O, Li C, Hattori A, Hanafusa H, Matsumoto K, Hisamoto N.
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 2014
    • 発表場所
      Wasington, USA
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19
  • [学会発表] Endocannabinoid AEA as injury signal in axon regeneration.2014

    • 著者名/発表者名
      Strahil Pastuhov, Naoki Hisamoto, Kunihiro Matsumoto
    • 学会等名
      2013 FASEB Summer Research Conference on Lysophospholipid and Other Related Mediators
    • 発表場所
      Niseko, Hokkaido, JAPAN
    • 年月日
      2014-08-04 – 2014-08-09
  • [学会発表] SVH-5 transcription factor regulates axon regeneration in C. elegans by activating the transcription of the svh-2 gene encoding a receptor tyrosine kinase.2014

    • 著者名/発表者名
      Chun Li, Naoki Hisamoto, Kunihiro Matsumoto
    • 学会等名
      The 6th Asia-Pacific C. elegans meeting and C. elegans topic meeting on Development, Cell Biology and Gene Expression Meeting
    • 発表場所
      California, USA
    • 年月日
      2014-07-15 – 2014-07-19

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公開日: 2016-06-01  

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