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2015 年度 実績報告書

C.エレガンスをモデルとした神経軸索再生制御

研究課題

研究課題/領域番号 26293063
研究機関名古屋大学

研究代表者

久本 直毅  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80283456)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード神経軸索再生 / C.エレガンス
研究実績の概要

本年度は、線虫において神経軸索再生を抑制する因子の候補として同定されたSVH-4およびSVH-6について解析を行った。SVH-4は受容体型チロシンキナーゼであるが、その哺乳動物ホモログにおけるこれまでの知見から、ある特定の種類のリガンドによって活性化される可能性が考えられた。そのリガンドのホモログをコードする遺伝子は線虫に複数存在していたので、それらについて神経軸索再生への関与について調べたところ、ある1つのリガンド遺伝子の変異によって神経軸索再生が低下することを見出した。またその変異は、svh-4欠損変異と二重変異にしても、その神経軸索再生低下の表現型をエンハンスしなかった。さらにリガンド遺伝子の変異による神経軸索再生率の低下は、SVH-4を多量発現させることで抑圧できた。これらのことから、SVH-4がこのリガンドと同一経路かつ下流で機能することが明らかとなった。また、SVH-4がどこで機能するか知る目的で、SVH-4::GFP融合遺伝子を作成して神経で発現させたところ、軸索に沿って特徴的なドット状の局在を示した。さらに神経切断後には神経軸索の先端に形成されるbulbに速やかに蓄積すること、また成長円錐が形成されるとその先端によく局在することが判明した。それとは別にSVH-6についても解析を行い、SVH-6の持つアクチン結合ドメインはその機能に対して必要ではなくむしろ抑制的な役割を持つこと、さらにSVH-6が以前同定した受容体型チロシンキナーゼSVH-2の遺伝学的上流で機能することも見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画の3つのサブテーマのうち、2つについては予定通りに進展している。

今後の研究の推進方策

今後、順調に推移しているテーマについてさらに進めることで、残りの1年の間に研究成果をまとめてゆく。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Utah University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Utah University
  • [国際共同研究] Tata Institute(India)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Tata Institute
  • [雑誌論文] The chaperone complex BAG2-HSC70 regulates localization of C. elegans Leucine-rich repeat kinase LRK-1 in the Golgi.2016

    • 著者名/発表者名
      Fukuzono T, Pastuhov SI, Fukushima O, Li C, Hattori A, Iemura S, Natsume T, Shibuya H, Hanafusa H, Matsumoto K, Hisamoto N.
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 21 ページ: 311-324

    • DOI

      10.1111/gtc.12338

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Axon regeneration is regulated by Ets-C/EBP transcription complexes generated by activation of the cAMP/Ca2+-p38 MAPK signaling pathways.2015

    • 著者名/発表者名
      Li, C., Hisamoto, N., Matsumoto, K.
    • 雑誌名

      PLoS Genetics

      巻: 11 ページ: e1005603

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1005603

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] MAP kinase cascades regulating axon regeneration in C. elegans.2015

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov SI, Hisamoto N., Matsumoto K.
    • 雑誌名

      Proc. Jpn. Acad. Ser. B. Phys. Biol. Sci.

      巻: 91 ページ: 63-75

    • DOI

      10.2183/pjab.91.63

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Regulation of axon regeneration by axotomy-induced serotonin signaling2016

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov SI, Hisamoto N, Matsumoto K.
    • 学会等名
      The 1st Indian C. elegans meeting
    • 発表場所
      Munbai, India
    • 年月日
      2016-01-28 – 2016-02-02
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 線虫のBRCA2はRhoシグナル-MLCリン酸化経路で神経軸索再生を制御する2015

    • 著者名/発表者名
      清水 達太、久本 直毅、松本 邦弘
    • 学会等名
      BMB2015(第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] トランスサイレチン様因子TTR-11による神経軸索再生の制御機構2015

    • 著者名/発表者名
      柘植 杏菜、久本 直毅、松本 邦弘
    • 学会等名
      BMB2015(第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] UNC-16 regulates early steps of synaptic vesicle protein trafficking via LRK-1 and UNC-101.2015

    • 著者名/発表者名
      Choudhary B, Kamak M, Kumar M, Awasthi A, Fukuzono T, Li C, Nguyen K, Matsumoto K, Hisamoto N, Koushika S.
    • 学会等名
      20th International C. elegans Meeting
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      2015-06-25 – 2015-06-28
    • 国際学会
  • [学会発表] Cyclic AMP and an Ets transcription factor are required for the transcriptional induction of svh-2 by axon severing.2015

    • 著者名/発表者名
      Li C, Hisamoto N, Matsumoto K.
    • 学会等名
      20th International C. elegans Meeting
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      2015-06-24 – 2015-06-28
    • 国際学会
  • [学会発表] A tensin3 homolog SVH-6 regulates axon regeneration by stabilization of a MET-like receptor tyrosine kinase SVH-22015

    • 著者名/発表者名
      Alam T, Asai K, Hisamoto N, Matsumoto K.
    • 学会等名
      20th International C. elegans Meeting
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      2015-06-24 – 2015-06-28
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-01-28  

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