本研究では精子幹細胞の自己複製と維持におけるCDK inhibitor (CDKI) p57遺伝子の関与について調べた。精子幹細胞の自己複製因子であるFGF2およびGDNFによりp57遺伝子発現が制御されることや、p57 conditional knockout マウスの精巣から樹立した精子幹細胞培養株(GS細胞)を用いてp57遺伝子の欠損により試験管内での自己複製活性や、移植におけるコロニー形成能が低下することを明らかにした。さらにシグナル伝達経路を明らかにするため、p57欠損GS細胞を用いてマイクロアレイ解析などにより、発現レベルの変化する遺伝子群を特定した。
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