恒常性とは、生物においてその内部環境を「一定の状態」に保つ働きだが、各種恒常性のセットポイントがいかに設定されているか、その分子機序はよくわかっていない。Nardilysin (NRDC)欠損マウスは、低体温、徐脈、低血圧、低インシュリン血症を呈したが、ネガティブフィードバックが機能せず異なるセットポイントで平衡を維持しているように見えた。本研究においては、糖代謝恒常性におけるNRDCの役割を検討し、NRDCがIslet1と協調してβ細胞特異的転写因子MafAの発現を制御し、MafA調節を介してインスリンの発現および分泌を制御していることが明らかになった。
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