研究課題
一般に、がん治療抵抗性は、がん組織を構成する細胞のごく一部により担われると考えられる。従って、がん組織の細胞多様性を理解し治療抵抗性を持つ細胞群を同定する事は、抗がん剤抵抗性腫瘍の治療を考える上で重要である。そこで、治療抵抗性腫瘍にのみ存在する細胞、及び抗がん剤投与後に残存する細胞を解析する事により、治療抵抗性と相関する細胞群を同定し、そのような細胞群に特徴的な遺伝子発現プロファイルを明らかにする事を試みた。方法としては、スフェロイド形成法によるがん幹細胞のin vitro培養法を用い、ヒト大腸がん、漿液性卵巣がん症例より樹立したヒト難治がん幹細胞を免疫不全マウス(NOGマウス)の皮下移植による移植腫瘍の実験系を用いた。作成したマウス移植腫瘍を摘出し、酵素処理後、フローサイトメトリーにより単一細胞に分離する。各細胞の多遺伝子定量PCRの結果の統計的解析により、腫瘍構成細胞のクラスタリングを行なった。これらの実験を、抗がん剤抵抗性及び感受性腫瘍で行い、抵抗性腫瘍にのみ存在するLGR5陽性の細胞群を同定した。さらに、さらに、各細胞群に特徴的な遺伝子発現プロファイルを解析し、抗がん剤抵抗性と相関する遺伝子群を同定した。このようにして得られた知見は、今後の抗がん剤抵抗性遺伝子の同定、及び抵抗性の分子メカニズムの解明に役に立つと考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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月刊「細胞」
巻: 49 ページ: 108-111
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巻: 108 ページ: 632-640
doi: 10.1111/cas.13196
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巻: - ページ: -
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