研究課題
本年度においては、濾胞性形質転換について昨年度得られたデータをもとに、当初の研究計画に従い、発展深化させたものである。すなわち、形質転換した6症例の初発時と転換時のペア検体及び周辺症例でwhole exome sequenceし、著明な差異があった分子の中で25遺伝子に注目して検索した。これは、昨年度得られたデータの再現性を検定するものでもあり、さらに詳細に高悪性度遺伝子を絞り込む目的によって、行ったものである。濾胞性リンパ腫のなかで、10年程度高悪性度化しなかった症例と高悪性度化した症例を比較検討するもので、検索症例も合計約70例を検討した。このような症例を見出すことはそれほど容易なことではない。上述の再現性を求めたre-sequencingを行い、一部のデータ解析は残っているが、現時点で、特異性の高い分子を抽出することに成功した。また、国内数施設との共同研究も始動している。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画にほぼ沿った形で研究を推進することができている。対象症例数は、計画数には及んでいないが、目的となる分子を抽出するには問題のない範囲である。
当初の、研究計画書に従い、抽出した特異分子についてリアルタイムPCRやタンパクレベルでの変動を検索し、患者さんの背景等々との関連を検索する予定である。また、形質転換の観点ではそれが非常にまれである十二指腸タイプの濾胞性リンパ腫(WHO分類改訂版に亜型として収集が決定)でも検索することもしたいと考えている。また、本研究の最大の眼目が濾胞性リンパ腫の難治性の原因特定であり、その観点からは、tumor initiating cellsを検索することも企図している。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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