研究課題
本年度においては、濾胞性形質転換について昨年度までに得られたデータをもとに、当初の研究計画に従い、研究を遂行した。すなわち、形質転換症例を予後調査し、臨床病理学的差異を形質転換の有無により比較した。非転換例20例、転換例43例である。その結果、有意差があったのは、患者さんの年齢、リンパ節病変数、FLIPI score, LDHであった。これらの症例群間でcopy number loss, Gene mutationを検索し、有意差がみられる分子についてUnivariate riskを検索した。これらの検索により、従来注目を集めていなかった特定の分子の存在を明らかにした(現在論文作成中である)。その分子については、リアルタイムPCRや免疫染色で発現性を検討し、有意な結果を得た。形質転換を検索した論文は複数あるが、われわれの姿勢としては、形質転換をするものがその時点で異常が加わった遺伝子を検出するのではなく、形質転換する前からそれが“運命”づけられているような分子がないかという視点で検索したことが、従来とは異なる分子を同定することになったと思われる。この間、検索症例数を積み上げることができた。また、tumor initiating cellsを同定する研究も進展させており、有力な候補を得たところである。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画にほぼ沿った形で研究を推進することができている。対象症例数の積み上げは当初予定数には達していないが、有意な結果を得ることのできる十分な数にすることができた。
当初の、研究計画書に従い、濾胞性リンパ腫由来の細胞株と形質転換した細胞株についてどのような分子発現が異なるか、また、その異常が形質転換にどのように関わっているかを検討する。これはがん抑制遺伝子も視野にいれて検索する。また、tumor initiating cellsについては、細胞株を用いた薬剤抵抗性などについての検索を行って、真にどのような性状を有するかを検討する所存である。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)
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