研究課題
【目的】(基礎)MPO-ANCA関連血管炎(MPO-AAV)では、MPO-ANCAに病原性がある。MPO-ANCAの産生には、好中球細胞外トラップ(NETs)の過剰が関わっている。NETs形成の経路において中心的な役割を果たしているpeptigylarginine deiminase 4 (PAD4)の作用を阻害することによりMPO-ANCAの産生を抑制できることを示す。(臨床)MPO-AAV患者の治療反応性を治療開始後の早期に予測する方法を開発する。【方法】(基礎)健常者の好中球にphorbol myristate acetate (PMA)またはPMAと抗甲状腺薬プロピルチオウラシル(PTU)を添加して誘導するNETsに対するPAD阻害薬Cl-amidineの効果を検討した。次に、BALB/cマウスにPTUを経口投与し、PMAを腹腔内投与することによるMPO-ANCA産生モデルを作成した。このマウスにCl-amidineを連日腹腔内投与し、PBSを連日腹腔内投与した対照群と比較した。2週間後に解剖し、血液および組織学的所見を比較した。(臨床)MPO-AAV患者の治療前および治療開始後1週間の時点の末梢血を採取し、独自に開発した方法でその後の治療反応性を予測した。実際の治療反応性と比較し、予測の精度を検討した。【結果】(基礎)In vitroおよびin vivoで誘導されるNETs形成は、Cl-amidineにより有意に抑制された。Cl-amidine投与マウスでは、血中MPO-ANCA 値がPBS投与群に比べて有意に低値であった。(臨床)MPO-AAV患者の治療反応性不良例を、感度85.7%、特異度96.9%で予測できた。【結論】(基礎)PAD4阻害薬はNETsの形成阻害を介してMPO-ANCA産生を抑制する。(臨床)MPO-AAV患者の治療反応性を精度高く予測できる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Frontiers in Immunology
巻: 7 ページ: 227
10.3389/fimmu.2016.00227
巻: 7 ページ: 636
10.3389/fimmu.2016.00636
http://hdl.handle.net/2115/62351
http://hdl.handle.net/2115/64033