研究課題
RAMP3 (R3)(-/-)、R3全身過発現(R3Tg)、R3・R1・ET1遺伝子同時変およびR2(+/-)マウスを用いたDDS大腸炎モデルによりR3機能の解析と腸のR2R3相互機能連関を検討した。DDS実験的大腸炎のR3遺伝子変異マウスの生存率、大腸長、体重減少、病態は、対照群のそれに比べ重篤ではなかった。また大腸炎誘発時のDSS飲水量はR3遺伝子変異マウスが野生型に比べ常に多飲であった。R3Tgと野生型間の大腸炎は、大きな差異は認められなかった。一方、R2(+/-)マウスのそれらは野生型に比べ逆に重篤となった。R3遺伝子変異および野生型の大腸炎マウスの回腸、大腸(盲腸側、直腸側)で遺伝子発現解析を実施した。アドレノメデュリン(AM)-R遺伝子群では、直腸側領域において、経時的にAM、CRLR遺伝子の発現亢進、R2,R3遺伝子の著しい発現亢進が認められた。一方でR1遺伝子発現は減少した。主な炎症系遺伝子では、R3遺伝子改変、野生型マウスの両者ともTNFα、IL1b、IL6遺伝子の強い発現亢進が認められた。興味深いことに、これらの発現はR3遺伝子改変よりも野生型マウスで高発現であった。大腸の組織観察でも、現在も解析中であるが、R3遺伝子改変よりも野生型マウスで病態の重篤と炎症細胞の浸潤が強い傾向を我々は観察している。以上の結果は、大腸の機能維持にAM-R2・3システムが関与することを明らかとした。R3およびR2遺伝子変異マウスの大腸炎モデルの病態差と、我々が見出してきたR2は血管、各臓器の恒常性維持を、R3は自然免疫細胞の炎症刺激応答に関与する知見から、大腸でもR3は炎症細胞の応答およびR2は機能維持と異なる機能分担があることを示唆した。現在、同一細胞内でのR3、R2の同時機能の発動はないと考えているが、これらは解析を継続している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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