研究課題
microRNA(miRNA)は20塩基長前後の小RNAで、生体の様々な生理活性を制御する。従来の手法では標的にできない分子に対してmiRNAを用いた治療が期待されている。これまで、我々は種々の疾患において、臨床応用を前提に研究を行い(1)エクソソームを用いたmiRNAのDrug delivery system(DDS)の開発、(2)標的細胞指向性の miRNAの開発を行ってきた。この研究成果を踏まえ、本研究においては、臨床応用可能で、特許性のあるmiRNA補充療法のプラットホーム開発を行い、既存の手法では完治ができない特発性肺線維症や肺がんなどの難治性疾患治療の臨床応用を目指す。平成28年度は、以下の検討を行った。(1)Dicer活性の低いがん細胞でも効果を発揮する補充型miRNAプラトフォームの開発:抗腫瘍効果と標的分子が明らかなmiR-34a及びmiR-29bを用いて検討し、loop sequenceの重要な配列を同定し、さらにDicer非依存的なmiR-144の配列を参考にして検討を行った。また、Ago familyを完全に欠失した細胞とDicerを欠失した細胞を作成し、新規の補充型miRNAの標的遺伝子の抑制効果も検討した。(2) 特発性肺線維症マウスモデルでの検討:補充型miR-29bの最適な配列を決定し、ブレオマイシン誘発マウス肺線維症モデルを用いて検討を行った。 (3) 肺がんモデルマウスでの検討:RAS変異肺がんモデルマウスを用いてmiR-34aの投与検討を行った。以上の結果から、局所ならびに全身投与のmiRNA補充療法のプラットホームを開発する事ができた。今回我々の開発した新規のmiRNAプラットホームは、guide hairpin RNAと命名した。今後はさらに、本miRNAによる補充療法を難治性疾患治療に応用していく。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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