現在、薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫が地球規模で蔓延し治療は困難な状況にある。しかし対策に必須な薬剤耐性機構に関しては殆どの抗マラリア薬を含め全容解明には至っていない。本研究では独自に開発したセントロメアプラスミドを用いた新規薬剤耐性遺伝子同定法を用い、クロロキン耐性及びメフロキン耐性遺伝子の同定を試みた。その結果、クロロキン耐性遺伝子の候補としてPlasmepsinVIを同定し、ヘモグロビン分解系に作用することで耐性を発現する可能性を示唆した。またメフロキン耐性遺伝子として新規ABCトランスポーター(PfMDR7)を同定し、膜に結合したメフロキンを細胞外へと排出し、耐性を獲得することを示唆した。
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