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2016 年度 実績報告書

病原体媒介節足動物コンピテンシーを制御するレジスタンス・トレランス機構

研究課題

研究課題/領域番号 26293092
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

嘉糠 洋陸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード病原体媒介節足動物 / 感染 / コンピテンシー / 病原体 / 中間宿主 / 寄生虫 / ウイルス / 細菌
研究実績の概要

ボルバキア(Wolbachia pipiens)は、グラム陰性の偏性細胞内共生細菌であり、地球上の半数以上の昆虫種に感染している。雌の生殖細胞に感染し子へと伝わるボルバキアは、宿主の性、生殖を操作することにより集団内での自己の感染を拡大する。加えて、ボルバキア感染宿主細胞ではプラス鎖RNAウイルスの増殖が抑制されることが知られ、複数のボルバキア感染ヤブカ系統において感染症ウイルスが増殖できずに、媒介能が著しく低下することが明らかとなっている。西アフリカで主要なデングウイルス媒介者であるネッタイシマカにおいて、ウイルス増殖抑制をになう主要な細胞の同定を試みるとともに、ボルバキア感染細胞のヤブカ体内でのダイナミクスを明らかにした。自然界ではボルバキアに感染していないネッタイシマカに、キイロショウジョウバエに感染するボルバキアwMelを移植した系統では、吸血によって取り込まれたデングウイルス、ジカウイルスの増殖が抑制される。この蚊系統体内でのボルバキアの分布をボルバキアタンパク質FtsZに対する抗体を用いて観察した。その結果、吸血後の雌では、ウイルスの初期感染組織と考えられる中腸ではボルバキア感染は顕著ではなかった。一方、脂肪体では多くの細胞がボルバキアに感染し、マルピーギ管の主要な細胞(Principal cells)や生殖細胞はすべてが多数のボルバキアに感染していた。また、ボルバキアが持つある特定のタンパク質が、ジカウイルスの増殖を顕著に抑制することを発見した。
以上の成果は、殺虫剤耐性が問題となっているベクター節足動物の制御において、細菌・真菌等の微生物群に加え、ボルバキア等の細胞内共生細菌を用いてベクターの性質を変えるパラトランスジェネシスの重要性を示している。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] ジョセフ・キゼルボ教授記念ワガ第一大学(ブルキナファソ)

    • 国名
      ブルキナファソ
    • 外国機関名
      ジョセフ・キゼルボ教授記念ワガ第一大学
  • [国際共同研究] 國家衛生研究院(台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      國家衛生研究院
  • [雑誌論文] Proboscis infection route of Beauveria bassiana triggers early death of Anopheles mosquito2017

    • 著者名/発表者名
      Minehiro Ishii, Hirotaka Kanuka, Athanase Badolo, N'Fale Sagnon, Wamdaogo Guelbeogo, Masanori Koike, and Daigo Aiuchi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 印刷中 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Generation of transgenic mosquito harboring pseudotype virus2017

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      2017 International conference on Dengue and Dengue prevention
    • 発表場所
      台湾(台南)
    • 年月日
      2017-03-07 – 2017-03-08
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] トランスジェニック蚊を用いたウイルス生ワクチン産生の試み2016

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      第24回分子寄生虫学ワークショップ/第14回分子寄生虫・マラリア研究フォーラム合同大会
    • 発表場所
      帯広
    • 年月日
      2016-08-21 – 2016-08-24
  • [学会発表] マダニ刺咬症と感染症のリスクを知る2016

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      第115回日本皮膚科学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2016-06-03 – 2016-06-04
    • 招待講演
  • [学会発表] The role of gut in pathogen-transmitting insects: barrier or gate?2016

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      The 1st International Symposium for Infectious Diseases: Vector-borne Diseas
    • 発表場所
      中国(深セン)
    • 年月日
      2016-05-31 – 2016-06-01
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスのマダニ内伝播メカニズムの解析2016

    • 著者名/発表者名
      山地佳代子、下島昌幸、西條政幸、嘉糠洋陸
    • 学会等名
      第68回日本衛生動物学会
    • 発表場所
      栃木
    • 年月日
      2016-04-15 – 2016-04-16
  • [図書] 蚊はなぜ人を襲うのか2016

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

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