胸腺細胞の選択と選択後の成熟における分子制御機構を明らかにするために、カルシウムシグナルを中心に解析した。ストア作動性カルシウム流入-カルシウムシグナルは成熟した制御性T細胞におけるFoxp3発現の維持、末梢での制御性T細胞の分化に必須ではないが、その免疫抑制機能には必須であった。さらに、iNKT細胞においても成熟後の細胞維持は正常であった。以上から、カルシウムシグナルは胸腺細胞の選択分化を正に制御している一方、成熟後はマスター転写因子の発現維持よりも細胞機能を正に制御していることを明らかとなった。
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