研究課題/領域番号 |
26293112
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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研究分担者 |
粟屋 剛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20151194)
出口 顕 島根大学, 法文学部, 教授 (20172116)
宍戸 圭介 名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (10524936)
小河 達之 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (10346421)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生命倫理 / 配偶子 / 凍結保存 / 生殖医療 |
研究実績の概要 |
2014年5月に第1回研究会を開催,研究分担者間で問題点を討議した.また,6月に公開セミナー『生殖医療と家族の形』を開催し,「精子や卵子の所有権」「第3者配偶子による生殖医療の実態」「生殖医療の代替としての国際養子」について,法律,医学,社会学的な立場からの講演を聞くとともに一般公開での討論を行った. 配偶子・性腺凍結保存に関する国内及び海外の学術文献及び裁判例を収集し議論した.7月,生殖補助医療施行施設(ART施設)の医師や看護師による講義を聞き,課題を議論した. 8月,第2回研究会を開催,各自の視点から問題点を議論した.それを踏まえ,国内意識調査の内容を検討した.さらに,生命倫理学分野で国際的に著名なフランク・レービット氏(元イスラエル・ベングリオン大学講師,元国際生命倫理学会理事)を招聘し,本研究プロジェクトについて議論した.また,他の海外の生殖医療専門医や倫理学者と学会等を利用し議論した. 2014年9月から2015年1月にかけて,配偶子・性腺凍結保存に関与した当事者及び関係した医療者等に国内聞き取り調査を実施した.また,2014年12月から2015年2月にかけて,学生や教育者などへの聞き取り調査を行い,配偶子凍結保存に関する議論を行い,大規模の調査への準備として,一般人に理解しやすい冊子やリーフレットなどの資料の作成を行った. 2015年2月に第3回研究会を開催し,中塚が国内での聞き取りによる意識調査の結果を報告した.また,生殖医療に関する科学者(研究者),生殖医療専門医,不妊症当事者,胚培養士,倫理学者などによる講義を聞いた.その上で,全国アンケートの内容を確定し,2015年に予定していた調査を前倒しで開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点までの各種のデータを学会で報告し,海外の生殖医療専門医や倫理学者を含め,議論した.海外での聞き取り調査が,現地ではなく,学会会場などで行うことになったが,その目的は達することができた.また,調査のための補助資料として,計画では予定していなかった一般人に理解しやすい冊子やリーフレットなどの作成を行った.さらに,調査を前倒しで開始した.
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今後の研究の推進方策 |
国内で行っている大規模調査を完遂させ,解析を行う.内容は,配偶子・性腺凍結保存への肯定感を問うだけでなく,生命観,死生観,身体観,倫理観,価値観,科学観,テクノロジー観,宗教観,家族観などにわたり,配偶子・性腺凍結保存への賛否とそれらの関連も明らかにする.万一,調査のサンプル数が集まらない場合はインターネットの利用などにより対処する. この調査結果をもとに,比較を行うための海外での調査内容を確定する.その確定のためには,研究会を開催し,生殖医療に関する外国事情に詳しい研究者(ないし実務家)を招聘し,配偶子・性腺凍結保存の外国事情について講義をしていただく.これらにより,研究者間の認識を共通する. インド,中国,韓国,イギリス,ドイツなどの粟屋の知己や粟屋研究室,中塚研究室の外国人大学院修了生などの協力を仰ぎ,アンケート項目の翻訳,現地での調査を実施する.
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