研究課題/領域番号 |
26293124
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
若宮 伸隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20210867)
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研究分担者 |
松下 操 東海大学, 工学部, 教授 (00165812)
松田 泰幸 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10532252)
森 健一郎 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70610236)
鈴木 定彦 北海道大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90206540)
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90396367)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | collectin / DIC / 補体 |
研究実績の概要 |
申請者らが発見したコレクチンCL-K1は、従来のコレクチン同様、自然免疫機能をもつことが推測されている。しかし、近年の常染色体遺伝病のゲノム解析の結果やCL-K1 KOマウス作成による予備研究により、個体発生や成長発育にCL-K1が関与する可能性が窺われている。申請者らが積み上げてきた補体関連分子コレクチン研究が、凝固線溶系やホルモン調節機能の解析に展開する、新たな研究は全く独創的であり、コレクチンの臨床応用の為、生体の恒常性維持に関与する、コレクチンの新規機能に関する知見を得ることが本研究の目的である。下記にある3つのプロジェクトが平成26年度はすすめられた。 1.凝固線溶系解析プロジェクトでは、主に、北大でのDIC関連患者からの血液で、血中MBL、CL-K1解析を行った。マウス凝固線溶系におけるCL-K1役割解析は、CL-K1 KOマウスの個体を増やすことを今年度は行った。 2.形態形成と恒常性維持機能解析プロジェクトは、 野生型とCL-K1 KOマウスの表現型比較検討を行った 3.発生におけるCL-K1の機能解析とそのメカニズムの解明では、おもに.wt-CL-K1-GFP TGマウスの作成を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らが発見したコレクチンCL-K1は、従来のコレクチン同様、自然免疫機能をもつことが推測されている。しかし、近年の常染色体遺伝病のゲノム解析の結果やCL-K1 KOマウス作成による予備研究により、個体発生や成長発育にCL-K1が関与する可能性が窺われている。下記にある3つのプロジェクトが平成26年度はすすめられた。 1.凝固線溶系解析プロジェクトでは、主に、北大でのDIC関連患者からの血液で、血中MBL、CL-K1解析を行った。マウス凝固線溶系におけるCL-K1役割解析は、CL-K1 KOマウスの個体を増やすことを今年度は行った。 2.形態形成と恒常性維持機能解析プロジェクトは、野生型とCL-K1 KOマウスの表現型比較検討を行った 3.発生におけるCL-K1の機能解析とそのメカニズムの解明では、おもに.wt-CL-K1-GFP TGマウスの作成を試みた。 上記3つの課題において、まず凝固線溶系解析プロジェクトにおいては、アメリカMGHとほぼ同様の結果が得られており、人種間の差はない普遍性のある結果であることが分かった。形態形成と恒常性維持機能解析プロジェクトでは、北大遺伝子制御研究所にある小動物専用のCTscan測定により、骨格の異常を示唆するデータが得られている。CL-K1-GFP TGマウスは、作成途中であり、このようにすべての研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
<凝固線溶系解析プロジェクト><1>1.北大でのDIC関連患者からの血液で、血中MBL,CL-K1解析を行い、測定結果から、日本人DIC患者においての血中CL-K1との相関性を確認、判定する。次に、血中MBL,CL-K1とその他の生化学等の測定値との変化を比較解析し、血中MBL,CL-K1とその他のデータとの変化をDICの病状や転帰等での比較解析を行う。<2>マウス凝固線溶系におけるCL-K1役割解析、ラットDICモデルを、マウスDICモデルに置き換え、CL-K1 KOマウスでの差異を解析する。 <形態形成と恒常性維持機能解析プロジェクト><1> 野生型とCL-K1 KOマウスの表現型比較検討を行う、1.発生における表現型解析2.レポータートランスジェニックマウス(wt-CL-K1-GFP TGマウス)の作成を行う。 <発生におけるCL-K1の機能解析とそのメカニズムの解明>1.wt-CL-K1-GFP TGマウスを利用した発現部位および細胞の同定、作成したTGマウスを用いて人工授精を行い、胚盤胞後期までin vitro培養条件下で蛍光観察を行う。2.CL-K1の機能および関連因子の同定によるメカニズムの解明、CL-K1 KOマウスの表現型解析において、野生型と異なる表現型を示す部位に着目し、wt-CL-K1-GFP TGマウスの発現部位と照らし合わせCL-K1の発生における機能を明らかにする。
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