研究課題/領域番号 |
26293128
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩谷 良則 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60168581)
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研究分担者 |
日高 洋 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30243231)
渡邉 幹夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50294088)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マイクロRNA / 遺伝子多型 / エピジェネティクス / 自己免疫疾患 / 予防医学 |
研究実績の概要 |
(1)マイクロRNAの一つであるlet-7eの末梢血単核球(PBMC)のおける発現レベルがIL-10のmRNAの発現レベル及び活性化させたPBMC中のIL-10陽性細胞比率と逆相関すること、そしてlet-7eの発現レベルがバセドウ病(GD)及び健常人(NC)に比し橋本病(HD)で増加していることを見出し、let-7eがIL-10の発現を制御することによりHDの病態を関係している可能性を示した。 (2)炎症細胞の浸潤を促すケモカインの機能的な一塩基多型(SNP)を解析し、IL-8、RANTES、MIGが自己免疫性甲状腺疾患(AID)の発症に、MIGがバセドウ病の難治性に、そしてRANTESがGDの若年発症と関連することを明らかにした。 (3)免疫応答に対して抑制的な相互作用を有するT細胞のICOSと樹状細胞のICOSLの両分子の遺伝子多型の頻度と機能を調べたが、AITDの発症や病態との明かな関係はなかった。 (4)寿命と関係するSIRT1の遺伝子多型とAITDの関連を調べたところ、AITDの発症や病態との明かな関連はなかったが、甲状腺自己抗体の血中レベルとの関連が見出された。 (5)疾患の発症が遺伝因子(遺伝子多型)と環境因子(エピジェネティクス)によって規定されていることより、TNFαとIFNγの遺伝子多型とそれらの遺伝子のプロモーター領域のメチル化が、AITDの発症や病態とどのように関係するかについての解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロRNA、一塩基多型、DNAメチル化の解析を候補を絞って解析を進めており、おおむね順調に成果がえられているので。
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今後の研究の推進方策 |
TNFαとINFγの遺伝子多型とDNAメチル化との関連を明らかにし、さらに遺伝因子としてHLAと甲状腺特異抗原の遺伝子多型の解析を進める予定である。
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