研究課題
自己免疫性甲状腺疾患をモデルに自己免疫疾患の発症・予後を規定する因子として、以下のマイクロRNA(miRNA)を含むnoncoding RNAや種々の遺伝子多型を明らかにした。①生体機能制御に重要な役割を担うmiRNAの生成に必要なRNaseⅢ酵素であるDicerとDroshaと自己免疫性甲状腺疾患との関連を調べた結果、DicerとDroshaの遺伝子多型がバセドウ病及びバセドウ病と橋本病の違いに関連していること、そしてDicerとDroshaの遺伝子発現が自己免疫性甲状腺疾患で低下し、Dicerの発現がバセドウ病の重症度(難治度)に関連し、Droshaの発現が橋本病の重症度と関連していた。 ②mRNAの発現を負に制御するmiRNAの発現レベルを末梢血単核球で調べた結果、調べた5つのmiRNAの固体内変動が70-100%とかなり大きかったが、miR-146aの発現レベルは自己免疫性甲状腺疾患で約3倍に増加しており、病因と関連していた。 ③免疫学的自己寛容の維持に必要なアポトーシス制御因子と自己免疫性甲状腺疾患との関連を精げた結果、FASLとBCL2の遺伝子多型と血中sFasL濃度が免疫異常と関係していた。 ④Toll-like receptor(TLR)は炎症性サイトカインを産生するシグナルを活性化するパターン認識受容体で、自己免疫性甲状腺疾患との関連を調べた結果、B細胞内TLR7/TLR9比がバセドウ病の発症及び重症度(難治度)と関係していた。 ⑤TSH受容体(TSHR)の遺伝子多型はTSHRの発現量を規定することによりTSH受容体抗体(TRAb)の産生(=バセドウ病の発症)に影響を及ぼす可能性がある。そこでTSHR遺伝子多型と自己免疫性甲状腺疾患との関連を調べた結果、バセドウ病と橋本病の発症に強く関連するTSHR遺伝子多型を見出した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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