研究課題
高齢社会を迎えた日本は世界に冠たる長寿国である一方、65歳未満の早世死亡も13.4%(平成24年)存在する。これらの死亡原因は様々でも、身体機能に影響を与えるような何らかの共通した要因が存在する可能性がある。そこで、1980年代後半に開始され、約11万人を対象に約20年にわたる追跡結果が判明しているJACC Study (the Japan Collaborative Cohort Studyを用いた早世マーカーの検索を行った。2009年までに判明した65歳以前の死亡者を症例とし、開始時40-64歳のものをから無作為に抽出したサブコホートと比較した。検体を採取したもので65歳以前に内因性の疾患により死亡したものは775名、そのうち実際に測定可能な検体が残っていた全336例(43.4%)を今回の症例として検体を測定した。女性に比べ男性で、年齢の上のものに比べ若いもので、利用可能な検体がより効率に残っていた。サブコホートは研究開始時40-64歳、かつ検体が利用可能なものから無作為に926名を選択した(症例17例を含む)。JACC Studyで保管してきた血清を用い、miRNA(miR-21、miR-29a、miR-126)、Vit E、レチノール、高感度CRP(hsCRP)を測定した。miRNAは血清から抽出した上で、SYBR Greenを用いるリアルタイムPCRにより定量した。VitEならびにレチノールはHPLC法によった。各測定項目につき最も高い四分位を基準としてその他のグループの早世死亡リスクを求めたところ、miR-29a、hsCRPで最も低い四分位群のリスクが有意に低下、miR-126で低下傾向を示した。その他の測定項目では特に関連を認めなかった。今回の結果を慎重に解釈、解析し、早世マーカーとしての意義を確認する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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