研究課題
本研究の骨子および目的は、一般住民コホートのベースラインおよび追跡調査にて撮像済みCT画像を用いて異所性脂肪情報をデータ化することで、日本人の異所性脂肪分布(筋・腹部)の実態を明らかにし、糖・インスリン代謝関連指標と異所性脂肪との関連を横断的・縦断的に比較検討することである。その際に筋肉間脂肪や腹部の表層性(浅)皮下脂肪および深在性(深)皮下脂肪など新たな指標もデータ化して詳細な検討を行う。平成28年度は引き続き画像の読影・データ化を推し進めた。具体的には新たな読影者として大学院生4名を加えた。それに伴い画像読影ソフトも1ライセンス購入した。また平成27年度に測定した糖・インスリン代謝関連因子3項目(血中インスリン、アディポネクチン、高感度C反応性タンパク)を既存データに突合するなどのデータ整備を進めた。精度評価のために、duplicate imagesを読影した(慶応大学、東講師)。 一方、喫煙と腹部肥満の各種指標との関連を検討し、喫煙者は相対的に腹部肥満が高いことを明らかにし英文学術誌に発表した(Preventive Medicine Reports 4 (2016) 225―232)。また藤吉、東、門脇による研究者打ち合わせを2017年2月24日に行い、研究の進捗確認、今後の追行計画および解析計画などについて検討した。
3: やや遅れている
上述の通り、読影データのデータ化の観点から若干遅れており、その結果としてデータ整備や予備解析結果の公表などが行えていない。しかしそれ以外は、研究発表あらたなバイオマーカー測定および既存データによる研究報告の論文化などは概ね順調に推移している。
現時点で読影は大半が完了している。本年度は読影困難だった画像の確認も含めて読影を完了し、クリーニング作業・データ整備などを進めて解析を開始する。既に読影したduplicate imagesの情報をもとに精度指標を算出する。また、昨年度測定した糖・インスリン代謝関連マーカー(血中インスリン、アディポネクチン、高感度C反応性タンパク)を用いて予備解析を行い、学会発表を検討する。
昨年までに予定していた読影が未完了となったため、読影およびその後のデータ整備に要する人件費・ソフトの購入などの関連物品費を使用しなかったため。また予備解析結果の発表もまだ行っておらず、学会発表参加のための予算も使用していない。
読影を完了させるための人件費およびその後のデータ整備に要する人件費・ソフトの購入その他の関連物品費を購入する。データ・クリーニングなどを早急におこない随時学会などで発表を行う予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
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https://hs-web.shiga-med.ac.jp/sessa/