研究課題
本研究では、佐賀市民約12,000人のコホート研究により、加速度計で計測した身体活動量と末梢血DNAメチル化(ASC遺伝子などの候補遺伝子)の関連を検討し、さらに身体活動量と関連する新たなDNAメチル化の探索を行った。また、身体活動量と生活習慣病(今回は脳梗塞)の関連を検討し、その関連に身体活動によって引き起こされたDNAメチル化の変化が介在しているかどうかを検討した。最終年度は、ベースライン調査参加者約12,000名の中から、追跡期間中に新規に脳梗塞を発症した者67名と脳梗塞の発症がないランダムサンプル2229名を比較し、身体活動量およびASC遺伝子メチル化と脳梗塞発症の関連を検討した。この結果、身体活動量の高い者には脳梗塞発症リスク低下傾向を認めたが(1メッツ・時/日増加あたりのオッズ比0.9)、統計学的に有意な関連ではなかった(P = 0.16)。一方、ASC遺伝子メチル化と脳梗塞発症には統計学的に有意な負の関連を見い出した(メチル化1%増加あたりのオッズ比0.35, P < 0.01)。しかし、身体活動量と脳梗塞発症の関連にASC遺伝子メチル化が介在する結果は得られなかった。この他、身体活動量と関連する新たな末梢血DNAメチル化を探索するために、ベースライン調査参加者のランダムサンプル512名についてアレイ(Infinium Methylation EPIC BeadChip、約84万ヶ所CpG sites)を用いた解析を行った。ゲノムワイドの有意水準に到達するシグナルは得られなかったが、幾つかの示唆的なCpG sites(P = 6.17e-7など)を見い出した。今後、再現性の検討を行う予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
今回の研究内容に関連した研究業績も掲載している
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http://www.prevent.med.saga-u.ac.jp/index.html