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2015 年度 実績報告書

チェルノブイリ小児甲状腺がんにおけるDNA修復関連遺伝子群の分子遺伝疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 26293142
研究機関長崎大学

研究代表者

光武 範吏  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (50404215)

研究分担者 サエンコ ウラジミール  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (30343346)
荻 朋男  名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80508317)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード甲状腺癌
研究実績の概要

本年度は、チェルノブイリ関連甲状腺癌症例24例、コントロール(同汚染地域に居住していたが、癌を発症しなかった人)24例の血液由来ゲノムDNAを用いたエクソーム解析を追加施行した。これで昨年度と併せ甲状腺癌症例56例、コントロール55例のエクソーム解析データが揃った。トータルの症例数が100例を越えたことより、データ解析の方法としてBroad Instituteが推奨するJoint genotype, variant quality score recalibration (VQSR)が使用できるようになったため、これまでのデータも全て新しい方法で再計算を行った。dbSNP等のパブリックデータベースを用い、Allele frequencyが高いvariant、そして上記VQSRで信頼性が低いものをフィルタリングし、昨年度に注目した遺伝子群で統計計算を行った。この遺伝子群のチェルノブイリ放射線誘発甲状腺癌における関連は、現時点で依然統計学的な有意差を保ってはいるものの、オッズ比は昨年度の結果より著明に低下した。さらに症例数を増加させるべく、上記遺伝子群に対するmultiplex PCRを行い、得られた多数のproductを次世代シークエンシングによって解析する実験系をセットアップした。ただし、サンプル間のデータ量のバラツキがまだ大きく、すべてのサンプルのすべての場所で信頼性のあるデータが得られてはいない。以上より、昨年度に注目した遺伝子群については、確かに関連が示唆されるものの、その重要性についてはさらに研究を継続していく必要性があると考えられた。また、上記遺伝子群以外も考慮した、より網羅的な検討を加える必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画よりエクソーム解析数を増やすことができ、多くのデータを取得できた。ただし、そのために別の限定された領域に対する解析はあまり進めることができなかった。以上より、全体的な進捗状況はおおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、さらなるサンプル数の増加と、上記の通り網羅的なデータが数多く取れているので、それを生かし、他のデータベース等を使ったより網羅的な解析を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

代表者が所属する研究所からもサポートを受けたことによる。

次年度使用額の使用計画

解析を行う領域をさらに拡げる。具体的にはエクソームや全ゲノムシークエンス等の網羅的解析数の増加を計画する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] BRAF(V600E) mutation is highly prevalent in thyroid carcinomas in the young population in Fukushima: a different oncogenic profile from Chernobyl2015

    • 著者名/発表者名
      Mitsutake N, Fukushima T, Matsuse M, Rogounovitch T, Saenko V, Uchino S, Ito M, Suzuki K, Suzuki S, Yamashita S
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 5 ページ: 16976

    • DOI

      10.1038/srep16976

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The 8q24 rs6983267G variant is associated with increased thyroid cancer risk2015

    • 著者名/発表者名
      Sahasrabudhe R, Estrada A, Lott P, Martin L, Polanco Echeverry G, Velez A, Neta G, Takahasi M, Saenko V, Mitsutake N; JTCMS Consortium, Jaeguer E, Duque CS, Rios A, Bohorquez M, Prieto R, Criollo A, Echeverry M, Tomlinson I; CORGI Consortium; TCUKIN Consortiums, Carmona LG
    • 雑誌名

      Endocr Relat Cancer

      巻: 22 ページ: 841-9

    • DOI

      10.1530/ERC-15-0081

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 検診で発見された小児・若年者甲状腺癌に見られる遺伝子変異の特徴2015

    • 著者名/発表者名
      光武 範吏
    • 学会等名
      第58回日本甲状腺学会学術集会
    • 発表場所
      福島県文化センター(福島県・福島市)
    • 年月日
      2015-11-05 – 2015-11-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 小児・若年者甲状腺癌に見られる遺伝子変異2015

    • 著者名/発表者名
      光武 範吏
    • 学会等名
      第27回日本内分泌外科学会総会
    • 発表場所
      コラッセ福島(福島県・福島市)
    • 年月日
      2015-05-28 – 2015-05-29
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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