研究課題/領域番号 |
26293145
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
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研究分担者 |
神谷 茂 杏林大学, 医学部, 教授 (10177587)
上野 誠 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (10520760)
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
中尾 春壽 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60326139)
来間 佐和子 東京都立駒込病院(臨床研究室), その他部局等, その他 (90627639)
笹平 直樹 公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (30401102)
奥田 真珠美 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40531091)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵がん / 胆道がん / Helicobacter hepaticus / Helicobacter bilis / 胆汁 / 血漿 / 血清 / Helicobacter pylori |
研究実績の概要 |
膵がん1010例、胆道がん435例、対象801例を収集した。Helicobacter hepaticusについては、血漿中抗体の測定準備が完了し、測定系が確立次第測定する。H. bilisについても、準備を進めている。特にH. bilisの抗体測定系の確立が難航している。H.pylori抗体とペプシノゲンはH28年度に測定する準備が終了した。 昨年度の検討でH. hepaticusの種特異的な菌体抗原を精製する必要性が示された。わかもと㈱が作成しているHRII51モノクロナール抗体の分与を受け、これまでに培養・精製で得た全菌体抗原の中からHRII51に反応する分子に対する抗体をサンドイッチELISA法で測定することとした。 胆汁と血清のペアについて、収集済29例のうち11例について分析した。胆汁を遠心分離した沈査よりDNAを抽出し、作成したプライマーによるPCR法でH. hepaticusおよびH. bilisの検出を行ったが全例陰性であった。同じ沈査を、1週から2週間、二相培地を使った増菌培養をしたのちに、DNA抽出してPCRを実施したところ、2例でH. hepaticus特異的プライマーを使った増幅産物が得られ、うち1例でシーケンスがH. hepaticus ATCC51449株と一致した。この1例の血清を上記のサンドイッチELISA法で測定したところ、OD1.0以上の高値を示したので陽性者と考えられる H. bilisとH. hepaticusの検出率が低いので、細胞診のためにブラシを用いて採取された胆汁検体を用いて、培養をしてからPCRによる菌の同定を行うこととした。これまでの2例で二相培地を使った増菌培養を実施後、Helicobacter属の選択培地を用いて分離培養した。1例目は口腔内常在菌が検出されたのみであるが、2例目も培養陽性で、菌種の同定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵がん、胆道がん症例、対照の検体は、研究の遂行に必要な例数の収集が終了している。胆汁と血清のペアの収集により、感染診断として信頼性の高い抗体測定系の確立を目指しているが、胆汁からは遠心のみではPCRで検出できる菌量が得られないことから、細胞診のためにブラシを用いて収集した胆汁を遠心・培養してPCRを行うこととした。このため、該当症例が少なく遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
膵がん、胆道がん症例、対照から提供を受けた血漿は量に限りがあるため、H. bilisについては信頼性の高い測定方法が確立されてから測定する。 H. hepaticusについては、胆汁中の菌体検出と血清の関連が確認された段階で測定する。 H. bilis抗体測定については、技術的に困難が予想されるので、抗体キットを開発している企業に測定系確立の協力を依頼することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
外部委託している測定は検体の収集数によって変動する。見込みを多めに見積もったので、実際の請求額との間に差異が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の測定費に充当する。
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