研究課題/領域番号 |
26293147
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青山 温子 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40184056)
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研究分担者 |
八谷 寛 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30324437)
江 啓発 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (20713887)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / 危険因子 / エチオピア / 国際保健 / 疫学調査 / 質的調査 / 職域 / 農村地域 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、横断疫学調査の準備、質的調査の一部、対象地域の医療施設の観察調査を行った。エチオピア出張、及び海外共同研究者招聘により、調査準備を進めた。まず、本研究計画について、名古屋大学の生命倫理委員会、及びエチオピアのメケレ大学、ティグレイ州保健局の承認を得た。調査対象地は、これまで生活習慣病 (NCD) に関する調査がなされていない、エチオピア北部のティグレイ州メケレ市 (人口約28万) と、周辺農村地域である。 横断疫学調査の対象は、メケレ市の公務員 (約3万) と、市の北方45kmに位置するキルテアウラエロ郡住民 (約5万) から、18~64歳の男女各500人、計2,000人を抽出する。海外共同研究者とともに対象地域を訪問して、調査の進め方について打合せし、地域の医療施設を観察調査した。その結果、以下のように疫学調査方法を定めた。公務員は職員登録をもとに、農村住民はメケレ大学が行っている人口動態調査の登録者から、男女別無作為に抽出する。質問票は、WHOの標準質問票をもとに、質的調査結果や現地関係者からの情報を参考にして、食習慣や社会経済的因子について追加・訂正し、現地語 (アムハラ語・ティグレイ語) に翻訳して使用する。健診を実施する場所として、公務員は各省庁の1室を借り、農村では保健ポストで実施する。測定には、日本からポータブル機器と試薬を持っていき使用する。実際の調査は、平成27年度、28年度に実施する。 質的調査については、職域の管理職、地域の長老・女性リーダー、医療関係者等を対象に、キー・インフォーマント・インタビューを実施して、健康に関する意識、生活習慣、伝統的慣習等に関する情報を収集した。ティグレイ語の録音を文書化して逐語的に英語に翻訳し、英語テキストデータとして入力し、質的分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時に計画したとおり、エチオピア出張、及び海外共同研究者の招聘により研究打合せを進めて、疫学調査の準備を進め、質的調査の一部を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、予定対象者数の7割にあたる1,400人を目標として、疫学調査を実施する。また、都市部、農村部において、フォーカスグループディスカッションを実施する。あわせて、医療サービスの状況について調査する。また、ティグレイ州保健局から共同研究者を日本に招聘して、保健政策に関する情報を入手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、初年度のため、海外共同研究者ともに具体的な調査計画を策定した。その結果、疫学調査に要する費用が研究計画申請時の想定より高額であり、また測定機器・試薬等を日本で調達して持っていかなくてはならないことが判明した。そのため、平成26年度の基金助成金を平成27年度に繰り越して、疫学調査に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度から繰り越した基金助成金、及び平成27年度の補助金・基金助成金をあわせて、予定対象者数の7割の疫学調査を実施し、また質的調査を完了する。
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