研究課題
超高齢社会の到来により認知症患者が増加し、 2025年には約700万人(65歳以上高齢者の5人に1人)が認知症になると予測されている。認知症の原因の約6~8割がアルツハイマー病によるものであり、アルツハイマー病患者の急増は、大きな社会問題となっている。アルツハイマー病の治療は薬物療法による進行の抑制が主であるため、進行が軽度な時期から治療を開始することが必須である。従って、アルツハイマー病を早期段階で診断することが非常に重要である。本年度の研究では三重大学医学部附属病院を受診した患者のうち、FAST(Functional Assessment Staging of Alzheimer's Disease)スケールにおいて、ステージ4(日常生活ではほぼ介助なしで生活可能)と診断された軽度のアルツハイマー病患者を対象とした。その結果、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動法(2D-DIGE法)を用いて、アルツハイマー病患者血漿中で健常者と比較して発現量が減少した5種類のタンパク質と増加した2種類のタンパク質を同定した。また、血漿エキソソームを用いたバイオマーカーの探索においては、検診にも応用可能な少量の血液からエキソソームを精製する方法として、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーを用いてエキソソームの回収を行った。分画したフラクションに対してエキソソームの膜表面マーカーとして知られるCD9の抗体によるウェスタンブロットを行った結果、フラクション3~5に特異的反応が認められた。さらに、電子顕微鏡を用いて、フラクション3~5画分にエキソソームが存在していることも確認した。ゲル濾過カラムクロマトグラフィー方法を用いることにより、少量(約1~2ml)の血液からエキソソームを分離し、エキソソーム中の含まれるタンパク質の同定を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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