研究課題/領域番号 |
26293153
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
八谷 寛 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30324437)
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研究分担者 |
青山 温子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40184056)
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30262900)
平川 仁尚 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00378168)
李 媛英 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (20701288)
太田 充彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (80346709)
内藤 久雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90547556)
山田 宏哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (80610352)
大塚 礼 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (00532243)
村田 千代栄 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (40402250)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コホート研究 / 肥満 / 糖尿病 / 職域 / 地理的情報 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
平成28年度は、第一に、地理情報システム(GIS)を用いて分類した居住地、さらには職場所在地の社会地区類型あるいは公共交通機関との距離などの地理的特徴と食事や運動等の生活習慣等との関連性について統計解析を実施し、学会発表を行った。具体的には、近隣の人口密度、道路密度、商業集積地への近接性、公園への近接性の情報を合成して作成した居住地近隣のwalkability指標と散歩、早歩き習慣の有無(いずれかを月1回以上実施するかどうか)との関連を、市区町村をグループ変数とする2レベルのマルチレベル分析によって男女別に調べた。その結果、自宅近隣のwalkabilityが最も低い群に比較して、中程度高いことと散歩・早歩き習慣の有無に関連があることが示唆された。また、ソーシャルキャピタルが豊かな地域に居住している者は健康状態がよいことが示唆されているため、GISによる他の客観的指標を調整に用いた分析を実施したところ、居住地域のソーシャルキャピタル指標がよいほど、個人の主観的健康感もよいという関連が見られた。すなわち、ソーシャルキャピタルが周囲との繋がりを介して、個人の健康に影響している可能性が示唆された。第二に、コホートの追跡調査を継続実施した。具体的には、退職者を対象とした生活習慣病発症に関するアンケート調査を実施し、その結果をデータベースに整理した。また健診成績も把握し、一部の疾患の発症定義に用いた。その他、退職や在職に関する情報を収集して、コホート全体の追跡を延長した。第三に、DNAメチル化解析の準備を継続して実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地理的情報を用いた社会地区類型の定義、walkability指標などの複合指標の作成、公共交通機関から距離等その他の居住地域の特徴に関するデータベース作成は順調に進捗し、それらの情報を用いた学会発表も行うことができた。DNAメチル化作業については、DNA抽出作業、測定対象者の同定、測定対象のエピゲノム選定、パイロシークエンス法による測定システムを作成することはできたが、当初予定していた実際のエピゲノム測定は平成29年度に実施することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
地理的情報を用いた統計解析の実施とデータベースの整理、エピゲノム解析の完遂、それらの情報を活用し、地理的情報と疾患発症の関連におけるエピゲノム介在に関する統計解析の実施など全体の研究計画で目指した内容を推進していく。また、コホート追跡調査、疾患発症に関する追跡調査を継続して実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
DNAメチル化解析に遅れが生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
若干の遅れは生じたが、次年度使用額を使用してDNAメチル化解析および関連するデータベース作成や統計解析を完遂させることとしている。
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