研究課題
平成28年度も脳卒中患者の前向き登録を継続し、研究開始から平成29年3月末までに約13,000人から研究への同意をいただいた。退院後の予後調査については、追跡率約90%で調査を継続した。網羅的に関連性を解明する目的で、脳卒中患者における脳卒中発症前および後の患者状態と入院中に行われた診療行為を統合したデータベースを作成した。診療報酬請求情報から医薬品、リハビリテーション、手術、特定入院料等の脳卒中関連診療行為に関するマスタを作成し、プログラムを用いて電子的に情報を統合できるシステムを構築した。さらに、急性期の診療行為が短期および長期予後に及ぼす影響度を網羅的に推定できるよう、追跡調査結果も統合したデータベースを整備した。予備調査として、レセプト情報に入力された患者情報の信頼性を検証するとともに、診療行為情報から患者状態を推測するアルゴリズムを作成した。平成28年度の解析として、引き続き発症時ベースラインの患者状態と予後の関連について検討した。脳卒中発症前の患者状態が発症後の機能予後に及ぼす影響について検討した結果、発症前のスタチン治療、発症前の認知機能が発症後3ヶ月後の機能予後に独立して関連していることを明らかにした。また、非弁膜症性心房細動に起因する心原性脳塞栓症患者を対象に、発症前の抗凝固療法と脳梗塞発症の関連性について検討した。その結果、心房細動のunder-diagnosis、抗凝固薬のunderuse、under-dosingが脳梗塞発症の原因の多くを占めることを明らかにした。さらに統合データベースを用いて、診療行為と患者アウトカムの関係を機械学習手法(決定木:ランダムフォレスト、勾配ブースティング)を用いて網羅的に検討した。アウトカムを機能予後に設定し、急性期の診療行為がこれらに及ぼす影響度を網羅的に検索した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
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