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2015 年度 実績報告書

iPS細胞を用いたABO遺伝子の発現調節機構の統合的な理解の深化

研究課題

研究課題/領域番号 26293161
研究機関群馬大学

研究代表者

小湊 慶彦  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30205512)

研究分担者 高橋 遥一郎  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50640538)
佐野 利恵  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70455955)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードABO式血液型 / 転写調節 / エンハンサー
研究実績の概要

ABO式血液型抗原は赤血球や上皮細胞において発現している。遺伝子発現はプロモーターとエンハンサーからの調節を受ける。ABO遺伝子のプロモーターは細胞非特異的に機能するものであり、赤血球系細胞特異的エンハンサーは同定されている。
1.上皮細胞において働くエンハンサーの探索;上皮細胞特異的エンハンサーを翻訳開始点下流22.6-kbに同定した。1)Genome BrowserにおけるDNaseI hypersensitive siteの検索、2)ChIP assayによるヒストン修飾の解析、3)プロモーターアッセイによるエンハンサー活性の証明、4)ゲノム編集を用いたエンハンサーの証明、5)上皮細胞特異的転写因子Elf5の結合の証明;バンドシフトアッセイ、ChIPアッセイ、ELF5ノックダウンアッセイ等を用いて証明した。
2.血液亜型の原因となる塩基変異の探索;A3やB3型においてプロモーター内に変異を同定した。
3.ABO式血液型の遺伝子診断方法を確立する;コード領域、プロモーター領域、エンハンサー領域の検索によりほとんどの亜型遺伝子が判定可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

赤血球系細胞をiPS細胞から作る試みは成功している。しかし、ABO式血液型抗原が発現しないことが判ってきた。そのため、iPS細胞からの分化・培養を用いた研究は中止となった。但し、本課題研究の骨子である、1.上皮細胞のエンハンサーの探索、2.未同定の血液亜型の原因となる塩基変異の同定、3.ABO式血液型の遺伝子診断方法の確立、等は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

最近のゲノム研究から、多数の転写調節領域がプロモーターに働き、転写制御に寄与していることが示されてきた。また、クロマチンがドメインを形成し、その中にある遺伝子の転写制御が遂行されていることも示されている。そのドメインの境界では特徴的な因子の結合が示されており、その特徴はABO遺伝子下流の+36.0-kb siteにも当てはまる。従って、+36.0-kb siteと赤血球系細胞特異的転写調節領域或いは上皮細胞特異的転写調節領域との関係をゲノム編集や転写因子のノックダウンアッセイを用いて調べる予定である。これらにより、ABO遺伝子の転写調節が統合的に理解できるようになると考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A 3.0-kb deletion including an erythroid cell-specific regulatory element in intron 1 of the ABO blood group gene in an individual with the Bm phenotype.2015

    • 著者名/発表者名
      Sano R, Kuboya E, Nakajima T, Takahashi Y, Takahashi K, Kubo R, Kominato Y, Takeshita H, Yamao H, Kishida T, Isa K, Ogasawara K, Uchikawa M.
    • 雑誌名

      Vox Sang.

      巻: 108 ページ: 310-313

    • DOI

      10.1111/vox.12216

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Blood group B gene is barely expressed in in vitro erythroid culture of Bm-derived CD34+ cells without an erythroid cell-specific regulatory element.2015

    • 著者名/発表者名
      Sano R, Nogawa M, Nakajima T, Takahashi Y, Takahashi K, Kubo R, Kominato Y, Yokohama A, Tsukada J, Yamao H, Kishida T, Ogasawara K, Uchikawa M.
    • 雑誌名

      Vox Sang.

      巻: 108 ページ: 302-309

    • DOI

      10.1111/vox.12220

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Bm型では赤血球系細胞においてB遺伝子の発現が極めて低下している-CD34陽性細胞を用いた赤血球系細胞への分化培養実験-.2015

    • 著者名/発表者名
      佐野利恵、中島たみ子、高橋遥一郎、小湊慶彦
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第24回学術集会
    • 発表場所
      岡山県岡山市
    • 年月日
      2015-11-19 – 2015-11-20
  • [学会発表] ABO式血液型遺伝子エンハンサーハプロタイプの型特異性.2015

    • 著者名/発表者名
      中島たみ子、佐野利恵、高橋遥一郎、窪 理英子、高橋圭子、小林もも子、渡邊華帆、小湊慶彦、竹下治男、安田年博
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第24回学術集会
    • 発表場所
      岡山県岡山市
    • 年月日
      2015-11-19 – 2015-11-20

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公開日: 2017-01-06  

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