研究実績の概要 |
DFAT由来exosomeの培養細胞に及ぼす影響 ・椎間板髄核細胞に及ぼす影響: PKH蛍光ラベルしたヒトDFAT, ASC由来exosomeを用いてウサギ椎間板髄核細胞への取り込みを検討した。その結果、DFAT及びASC由来exosomeは共に効率よく髄核細胞へ取り込まれることが明らかになった。DFAT及びASC由来exosomeを髄核細胞へ添加し、髄核細胞の増殖能や遺伝子発現に及ぼす影響を評価した。その結果、DFAT及びASC由来exosome添加により、髄核細胞の増殖が促進され、Collagen type IIやAggrecanの発現に係わる転写因子Sox 9や、椎間板細胞外基質を構成するVersicanやCollagen type Ⅰの発現が有意に増加することが明らかになった。以上の結果より、DFAT及びASC由来exosomeは髄核細胞に対し、変性抑制的に作用することが明らかになった。
・T細胞に及ぼす影響: PKHラベルしたヒトDFAT, ASC由来exosomeのヒト末梢血リンパ球への取り込みを検討した。その結果、DFAT, ASC由来exosomeは共にリンパ球への取り込みが認められた。末梢血Tリンパ球や臍帯血ナイーブT細胞に対しDFAT, ASC由来exosomeを添加し、リンパ球増殖や各種T細胞サブセット分化に対する効果を検討した。その結果、DFAT及びASC由来 exosomeは用量依存性にTリンパ球の増殖抑制を示し、さらに臍帯血ナイーブT細胞から制御性T細胞への分化効率を有意に促進させた。DFAT及びASC由来exosomeは, リンパ球増殖抑制や制御性T細胞の分化促進を介して免疫制御に関与する可能性が示唆された。
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