本研究では、膵癌進行過程における癌細胞・間質細胞に対するselection pressureが腫瘍内のコンポーネントへ与える影響を解析し、浸潤性増殖や治療抵抗性等の形質を獲得させないための新たな治療法開発に向けた基礎検討を行うことを目的とした。膵発癌モデルマウス、KPCマウスにおいて酸化ストレス応答機構を欠損させた場合の影響を検討し、発癌・進展過程の抑制と抗癌剤感受性の回復がみられることを確認。酸化ストレス応答機構の中核を担うKeap1-Nrf2経路が膵癌進展に寄与することを明らかにした。また、膵癌宿主側の要因として腸内細菌叢変化に着目し、他の膵疾患と膵癌症例での細菌叢の差異を見出した。
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