研究課題/領域番号 |
26293180
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山崎 慶子 日本大学, 医学部, 助教 (50415329)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 全ゲノム関連解析 / 薬剤応答性 / エピゲノム解析 |
研究実績の概要 |
平成28年6月、研究責任者の山崎が理化学研究所から日本大学へ異動したため、研究が一時的な中断を余儀なくされた。本研究計画で使用する検体を異動先に移管するためには、関係機関や前職の理化学研究所の研究倫理審査委員会(Institutional Review Board; IRB)で日本大学が共同研究機関として承認される必要があるが、共同研究機関の申請手続等に半年から1年以上の時間が取られた。また新規Inflixmab導入患者数が少ないこともあり、計画の延長・研究資金の繰越申請を行った。本計画は理化学研究所の研究環境を想定して計画されているため、理化学研究所と日本大学間でシームレスな研究が行えるよう共同研究契約を進めている。 1) 新規Inflixamab導入患者検体を用いた前向き研究:九州大学を中心に新規Inflixamab導入患者の経時検体21検体を収集した。今年度受領検体を含む全106検体を理化学研究所に保管している。分担研究者と定期的に連絡をとり、検体収集のほか、IRBの変更手続を進めた。 3) imputationを用いた新規IBD関連領域同定:インド人の潰瘍性大腸炎患者を用いた全ゲノム関連解析で同定されたCFB・SLC44A4を北インド人・日本人・オランダ人で検討した。北インド・日本集団の潰瘍性大腸炎患者はCFB・SLC44A4と強い関連が見られたが、オランダ集団では関連が見られず、本領域は人種間で疾患感受性が異なることが明らかになった(Eur J Hum Genet. 25,111-122)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究責任者の山崎が理化学研究所から日本大学に異動した。各共同研究機関のIRB承認がなければ検体が移管できないこと、Inflixmabの新規導入患者数が少ない(IBDの患者数が少ないことに加え、患者の多くがすでに導入済みであるため)ことから、研究遂行が困難となった。本年度は研究資金の繰越、計画の延長、関係機関のIRB手続(日本大学の追加承認)、理化学研究所と日本大学間の共同研究契約締結などに時間の大部分を割いた。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針を遵守し、研究責任者の本務地である日本大学で滞りなく研究が進められるよう、関係協力機関のIRB追加承認手続を進める。 全ゲノムバイサルファイトシークエンスなど、次世代シークエンサーの使用を前提に本研究計画は発案されている。理化学研究所との共同研究契約の締結の他、次世代シークエンサーの外注等の選定を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新規Inflixamab導入患者検体の収集が当初の見込みよりも少なく本実験開始が遅れている。また、研究責任者が理化学研究所から日本大学に異動し、各共同研究機関にて、日本大学の追加承認がなければ検体移管・研究遂行が難しかったため、本研究課題の延長申請を行った。
|