研究課題
RyR N4103K/+ knock-in (KI)マウス、TroponinT Glu160欠損HCM型トランスジェニックマウスにおけるCaM結合親和性の検討と高親和性CaMによる介入:Alexa633あるいはHiLyte Fluor 647でラベルしたCaM(F-CaM)をサポニン処理した単利心筋細胞に添加し、サルコメア上にならんだ蛍光強度を定量することでRyR2に結合したCaMを測定可能である。申請者らはCaM LD内に突然変異をもつRyR2 N4103K KIマウス、TACマウス、Glu160欠損HCM型トランスジェニックマウスにおいても同様にF-CaMを用いてCaMのRyR2に対する結合親和性を測定するとともに、RyR2高親和性GSH-CaMによる介入でCa2+ハンドリングの改善、抗不整脈効果が認められるか否かを検討する。実験ではTACモデルにおいてCaMのRyR2に対する親和性が低下していることが判明した。またRyR2高親和性GSH-CaMによりCa2+ spark頻度の低下や、SR Ca2+ contentの増加などCa2+ハンドリングの改善も認められた。さらにRyR2 N4103K KIマウスにおいても同様にCaMのRyR2に対する親和性が低下していることが判明した。CaM高親和性RyR knock-in(KI)マウスの作成:申請者らはすでにCaM BDに点突然変異を組み込んだペプチドを28種類作成した。作成した多数のCaM BDの変異ペプチドの中からCaMへの結合が最も強いものを2種類の方法でスクリーニングした。こうしてCaM高親和性RyR2変異を決定し、その変異を組み込んだKIマウスを申請者らは2013年1月にES細胞作成し、2014年3月納入、現在順調にmatingを続けhomo miceも誕生している。
2: おおむね順調に進展している
計画と比べTroponinT Glu160欠損HCM型トランスジェニックマウスの部分はやや遅れているが、CaM高親和性RyR knock-in(KI)マウスの部分では進んでいるところもある。
今後新たな心不全・心肥大・致死的不整脈の包括的治療戦略を確立するため、最新の知見をもりこみつつ、計画の実行に向けて努力する。
今回の研究遂行のため非常に重要なマウスの作成の計画を旧来のES作成方式で計画していたが、ゲノム編集の技術が時間的にも経済的にも有利であるためCAS9を用いたゲノム編集によるKIマウス作成に切り替えたため、当初の予算について未使用額が生じた。
この未使用額については、現在ゲノム編集を用いたKIマウスの作成が大変順調に進んでおり、このマウス作成に使用する予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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