研究課題
RyR N4103K/+ knock-in(KI)マウスにおけるRyR2へのCaMの親和性の検討ではRyR2に対するCaMの親和性の低下していることが分かった。さらにこの低下はβ刺激前からすでに生じている点、ダントロレンが親和性の改善を起こさない点でcentral domainの突然変異によるKIマウスとは異なっていた。TroponinT Glu160del HCM型transgenic(TG)マウスにおけるCaM親和性の検討は現在進行中で、低下していると考えられるが、確実に有意な結果を得るにはさらに実験が必要。LADの結紮によるMIマウスにおいてCaハンドリングを検討し、Ca sparkの増加、Spontaneous Ca2+ transientの増加をみた。CaMのaffinityを高めたGSH-CaMのKIマウスが作成できた。
2: おおむね順調に進展している
GSH-CaM KIマウスの作成においては28年夏までに納品が可能な見込み。CPVTマウスとCaMHAマウスの交配も順調で、計画通りに進んでいる。
ロードマップに従って心不全、HCM, CPVTの各モデルに対して2つの手法でTransmitter(T)への介入を行う。すなわち1つは高親和性CaMであるGSH-CaMの添加が与える影響を見ることである。すでにTAC心不全モデル、CPVT不整脈モデルでは予備実験が終了しておりTACモデルではGSH-CaMでCaMの結合親和性が上がり、Ca spark頻度が減少しSR Ca含有量は上昇するという結果を得ている。今後はHCMモデルにおいてGSH-CaMの投与がカルシニューリン(Cn)、NFATなど肥大シグナルに与える影響を検討する。もう一つの手法はCaM高親和性マウスに対するTAC手術の影響、およびCaM高親和性マウスとHCMマウス、CPVTマウスの掛け合わせである。CaM高親和性ホモマウスを作成後に、CPVTヘテロマウス、HCM型Tgマウスと交配することで効率よく掛け合わせが可能となる。
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