研究課題
1. 心筋特異的に発現するマイクロRNAの網羅的解析心筋リプログラミングを促進するマイクロRNAを見出すため、まずその候補因子として心筋特異的に発現するマイクロRNAを同定した。方法としては自ら開発した心筋細胞と線維芽細胞のFACSによる細胞選別法を用いて(Ieda et al, Dev Cell, 2009)、心筋特異的マイクロRNAの発現をマイクロアレイ法で解析。実験の結果、既知のmiR-1,miR-133に加えて複数の新規心筋特異的マイクロRNAを見出した。2. 心筋直接リプログラミングを促進するマイクロRNAの同定新規のものも含めた 複数の心筋特異的マイクロRNAの中から心筋リプログラミングを促進するマイクロRNAを同定する。スクリーニング方法としてはαMHC-GFPマウスの心臓線維芽細胞にGata4/Mef2c/Tbx5の3因子を導入する際に、同時にマイクロRNA機能を増強するマイクロRNA mimic (miR)を導入して心筋誘導効果をαMHC-GFP、cardiac troponin T (cTnT)の心筋マーカーでFACSにより定量的に解析する。これまでの実験でmiRの遺伝子導入効率が90%以上であること、心筋リプログラミングを促進する心筋特異的マイクロRNA (miR-133)を同定することに成功した。今後さらにスクリーニングを続け、さらに心筋誘導を改善するマイクロRNAがないか検討する。またマイクロRNAのみで心筋リプログラミングが可能かも検討する。
3: やや遅れている
心筋リプログラミングを促進する可能性のある新規マイクロRNAを予想外に同定し、さらに過剰発現実験などによるマイクロRNAの性質を調べる追加実験の必要が生じたため。
マイクロRNAにより誘導される心筋様細胞の経時的変化やマイクロRNAによる心筋リプログラミングの分子基盤解明を行う。具体的にはBioinformaticsを用いたターゲットの同定、マイクロアレイで遺伝子変化を確認する。さらにmiR-133以外で心筋リプログラミングを改善するマイクロRNAを同定する。
心筋リプログラミングを誘導するmiR-133を同定したが、網羅的解析により複数の心筋特異的マイクロRNAを見出したため今後さらにスクリーニングを続ける必要が生じた。複数の心筋特異的マイクロRNAの中で、他に心筋誘導を改善するマイクロRNAがないか検討する必要が生じた。
複数の心筋特異的マイクロRNAの中で、他に心筋誘導を改善するマイクロRNAがないかをFACS、免疫染色、マイクロアレイなどで検討する。さらにマイクロRNAのみで心筋リプログラミングが可能か分子生物学的に解析する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (5件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Circ Heart Fail
巻: 9 ページ: e002629
doi: 10.1161/CIRCHEARTFAILURE.115.002629.
Cardiovasc Res.
巻: 109 ページ: 350-7
doi: 10.1093/cvr/cvv267.
Stem Cell Reports.
巻: 5 ページ: 1128-42
doi: 10.1016/j.stemcr.2015.10.019.
Circ Res.
巻: 116 ページ: 1378-1391
doi: 10.1161/CIRCRESAHA.116.305374.