研究課題
本年度も引き続き長浜コホートで約2000名の健診追加者の諸種資料と肺機能測定、客観的な睡眠時間、睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸)、客観的な身体活動量の測定を行った。長浜コホート2期において、現状までに8,294名の健診資料の整理を行い、約5,800名(男性約1850名、女性約4000名)において、肺機能、客観的睡眠時間、睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸)の評価可能な資料が得られた。現状の資料から男女とも睡眠呼吸障害の進展とともに客観的な睡眠時間が有意に短くなることが明らかになった(未発表資料)。また、今年度は長浜コホート1期の資料を用いて、9788名の健診者に対して、「睡眠によって休養が十分にとれているか」の質問に対して、「休養が十分にとれていない」と答えた方が、若年者(オッズ非:1.43倍)、睡眠薬常用者(同2.04倍)、不規則睡眠(同2.02倍)、短時間睡眠(5時間未満同11.7倍、5-6時間睡眠同4.81倍、6-7時間睡眠同2.40倍)、日常にストレスを感じている(同4.63倍)、うつ傾向(同1.46倍)という興味深い結果が得られた (Matsumoto T, Chin K et al. PLoS One. 2017;12(3):e0171849)。また、本コホートではないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸)を合併すると微小アルブミン尿が増加するが、適正な持続陽圧(CPAP)治療にて改善することを示し、本コホートでの実証も期待された(Matsumoto T, Chin K et al. Ann Am Thorac Soc 2016; 13:917-25)。研究開始時の目的とほぼ予定通りに約1万人のコホート2期資料が得られ、1期資料との経時変化の検討が可能になった。今後、気道疾患患者の病態の経時変化に対する睡眠呼吸障害の関連を明らにする予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
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