研究課題
多発性硬化症(MS)の非典型例が典型例といかに異なるかについて臨床、病態などについて種々の検討を行った、1.非典型例の一型であるミエリンオリゴデンドロサイト糖たんぱく(MOG)抗体陽性症例の中で、“MOG抗体陽性のてんかん発作を伴う一側大脳皮質脳炎”の4例を報告した。成人男性で、一側の大脳皮質がFLAIR画像で高信号病変として描出された。抗てんかん薬のみでは無効でステロイドパルス療法によりてんかんは消失した。このユニークな脳炎は既知の疾患とは異なっており新たな自己免疫性脳炎であると思われ、論文の掲載誌においてEditor’s choiceで紹介され表紙の画像に取り上げられた。2.MOG抗体陽性例、アクアポリン4(AQP4)抗体陽性視神経脊髄炎(NMO)、MSと対照群の髄液における27種サイトカイン濃度を比較したところ、MOG抗体陽性例のサイトカインプロフィールは、MSとは異なり、AQP4抗体陽性NMOと類似していた。3.Balo病(同心円硬化症)は特異な病理像を呈する炎症性脱髄疾患である。我々は本疾患のMRI所見と脳病理像を解析し、この病変が経時的に拡大し、最外層では低酸素状態様の状態とそれに対する組織反応(hypoxia-inducible factor 1αの発現)と脱髄に関連するサイトカインの放出が主にグリア細胞で行われていることを見出した。4. MSの再発にストレスが影響しうることが報告されてきた。昨年度から論文を準備してきた東日本大震災の前後で仙台地区のMS,NMO患者のストレスは有意に上昇したが再発の増加はなかったという結果を国際誌に発表した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 5件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 13件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 16件、 招待講演 19件) 図書 (6件)
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