多発性硬化症(MS)と診断される症例の一部は非典型例で特異な群を含む可能性がある。本研究では、このうちミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク(MOG)抗体を特異度の高い細胞検査法で検出し、MOG抗体陽性例の視神経炎、脊髄炎、脳病変の特徴、Th17系サイトカインの高発現と脱髄が主体の病態、アクアポリン4抗体陽性例に類似の治療反応性などを明らかにした。また既知の自己免疫性脳炎とは異なる“MOG抗体陽性のてんかんを伴う一側性大脳皮質脳炎”を見出した。またバロー同心円硬化症も非典型的MSに属するが、その病態にはhypoxiaに対する組織応答とグリア細胞由来の脱髄に関連したサイトカインが関わっていた。。
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