改変型アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを応用して、神経変性疾患の病態の解明と新規遺伝子治療の開発を目標に研究を実施した。脊髄小脳失調症6型では、CACNA1A遺伝子のIRES下流にある転写因子α1ACTの遺伝子にpolyglutamine配列の異常伸長がある。α1ACTの翻訳を選択的に抑制するmiR-3191-5pを搭載したAAVベクターを脳室内に投与することにより、モデルマウスのPurkinje細胞の脱落が抑制され運動機能が改善した。Parkinson病の遺伝子治療では、2000年に酵素遺伝子を脳内に導入したサルの組織解析を行い遺伝子が神経細胞で15年以上発現していることを確認した。
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