本プロジェクトにおいては、糖尿病状態においてオートファジー機能不全がどのような病態修飾を引き起こしているかを検討した。まず、膵β細胞においては、ヒト膵β細胞に発現するIAPPは細胞毒性を有するが、オートファジー機構がその毒性を抑制するように作用することが明らかになった。また、動脈硬化においては、通常のモデルマウスは動脈硬化巣を形成するが、その病理像はヒトのそれとは大きく異なることが知られているなかで、動脈硬化モデルマウスと平滑筋細胞特異的オートファジー不全マウスを交配することでヒトに近い動脈硬化病理像を示すことが明らかになり、ヒトの動脈硬化形成にオートファジー不全が関与することが示唆された。
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