研究課題
エストロゲン感受性乳がん細胞において、エストロゲン受容体ERαのゲノム結合領域近傍にエストロゲン応答性に発現が増強する転写産物をストランド特異的なRNAシーケンス法を用いて体系的に同定した。このうち、蛋白質をコードしない長鎖非コードRNAに着目し、エストロゲン受容体の標的となりうる転写産物の同定を複数個行い、エストロゲン応答性について、細胞レベルで発現の検証を行った。これら転写産物のうち、特に注目されるRNAに対する発現抑制実験を行うため、各々に対する複数個のsiRNAを独自に作製し、ホルモン感受性およびホルモン療法耐性乳がん細胞における細胞増殖や浸潤能、細胞周期等の影響を検討した。
2: おおむね順調に進展している
乳がん細胞における次世代シーケンス解析に基づき、エストロゲン応答性の長鎖非コードRNAを同定し、その発現をノックダウンできるsiRNAの作製に成功し、細胞機能に対する評価を行うことができるようになったため。
乳がん細胞において、注目するエストロゲン応答性転写産物をsiRNAや遺伝子過剰発現により発現変化させた際の遺伝子プロファイルの変化をマイクロアレイにより解析し、下流のシグナル経路について明らかにしていく。乳がんの増殖や浸潤能にかかわる転写産物については、乳がん細胞をマウスに移植したin vivoモデルにおいて、これらを標的とするsiRNAにより腫瘍増殖がコントロールできるかについて評価を行っていく。長鎖非コードRNAについては転写調節作用の観点から腫瘍増殖にかかわるメカニズムの解明をめざす。
次年度の効率的な研究推進のため、試薬・消耗品と人件費を使用する必要があるためと、旅費と人件費が年度末に生じた分については翌年度に支払いになったため。
人件費と旅費と試薬・消耗品の物品費に使用予定である。
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Sci Rep
巻: 5 ページ: 7641
10.1038/srep07641
Oncogenesis
巻: 3 ページ: e126
10.1038/oncsis.2014.40