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2015 年度 実績報告書

in vitro, in vivo モデル作製による鉄芽球性貧血の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 26293225
研究機関東北大学

研究代表者

張替 秀郎  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50302146)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード内科
研究実績の概要

遺伝性鉄芽球性貧血は、ミトコンドリアに鉄が蓄積した環状鉄芽球の出現を特徴とする難治性貧血である。本疾患に対する治療法を開発するためには、ミトコンドリアへの鉄沈着機序の解明と鉄芽球性貧血モデルの確立が必須である。本研究は、1. 遺伝性鉄芽球性貧血家系にて新規に同定した原因遺伝子の機能を解析し、その変異による鉄沈着機序を明らかにする、2. 遺伝性鉄芽球性貧血患者由来iPS細胞からin vitro培養系で鉄芽球を作製する、3. 新たなin vivo遺伝子発現抑制系を確立し、鉄芽球貧血モデルを作製することにより、鉄芽球の特性・鉄芽球性貧血の病態を明らかにする、ことを目的としている。当該年度は主として2、3について研究を進めた。2については、前年度に樹立したiPS細胞からin vitroで赤血球に分化する培養系を確立した。この系を用いて患者iPS細胞から赤芽球を分化誘導し、解析したところ鉄芽球が認められ、ヒト鉄芽球を作成することに成功した。この赤芽球を解析したところ健常人iPS細胞から作成した赤芽球と比較してグロビンなどの赤血球関連遺伝子の発現低下が認められた。3については、in vivo遺伝子抑制系を用いたモデルマウス作成の効率が極めて悪いことが明らかとなったため、CRISPR/CAS9システムを用いた変異マウス作成に計画を変更した。現在、得られたマウスの変異の確認を行っており、今後解析の予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝性鉄芽球性貧血家系にて新規に同定した候補遺伝子については、変異マウスでの形質に鉄芽球性貧血が認められなかったことから、原因遺伝子としての証明には至ってない。 遺伝性鉄芽球性貧血患者由来iPS細胞からin vitro培養系で鉄芽球を作成する計画については、実際に鉄芽球が作成できたことから十分な進捗が得られたと考えている。in vivo遺伝子発現抑制系を確立し、鉄芽球貧血モデルを作成するという計画については、上記の通りCRISPR/CAS9システムを用いた変異マウス作成に計画を変更した。当初予定したin vivo遺伝子発現抑制系によるモデルマウス作成という点では、計画が達成できていないが、CRISPR/CAS9システムによりモデルマウスが得られることが期待できるため、全体の進捗としては順調と考えている。

今後の研究の推進方策

遺伝性鉄芽球性貧血家系における新規候補遺伝子の同定については、全ゲノム解析にて網羅的に変異を解析する。患者iPS細胞からの鉄芽球については、引き続きその形質を解析するとともに、治療候補薬剤であるALAを培養系に添加し、鉄沈着が解消できるかどうか検討する。モデルマウスについてはジェのタイピングで予想される変異の導入が確認出来次第、解析を開始する。モデルマウスが確立できた場合、iPS細胞実験と同様に治療候補薬剤であるALAを投与し鉄芽球性貧血の改善が認められるかどうか検討する。

次年度使用額が生じた理由

iPS細胞の赤血球分化系実験やモデルマウス作製・解析が複数年にまたがったため、次年度使用額が生じたものである。

次年度使用額の使用計画

赤血球分化系実験やモデルマウス解析等の研究を遂行するために必要な経費として、平成28年度請求額と併せて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 遺伝性鉄芽球性貧血の疫学と分子病態2015

    • 著者名/発表者名
      藤原亨、張替秀郎
    • 学会等名
      第39回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山市)
    • 年月日
      2015-08-29 – 2015-08-30
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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