研究課題
本研究では、長期的な目標として、関節リウマチにおける自然免疫の関与を解明することとする。短期的な目標としては、その関与を細胞死(danger signal)に対する炎症から解明することを目標とする。すなわち検証する仮説は、”細胞死が惹起する自然免疫炎症が関節リウマチの病態形成に関与する”である。そのため本申請では3つの目的を挙げる。(1) 細胞死による炎症反応の分子機構、特にインフラマソーム形成の解明。 (2) 細胞死を認識し、炎症を惹起する細胞の特定と、死細胞の免疫系認識に関与する分子の同定。 (3) さらに(1)(2)であきらかとなった新規の細胞死が惹起する自然免疫炎症機構の関節リウマチ病態への関与の検討。今年度、我々な特に細胞死による炎症反応の分子機構、特にインフラマソーム形成の分子機構の解明を進めた。発現スクリーニングによりインフラマソーム活性化機構、もしくは抑制機構に関与する分子を同定すものである。リポフェクションによる遺伝子導入が容易であるHEK293T細胞に適量のNLRL3とASC-Cerulean発現する安定株を作成した。この細胞株にさらにNLRP3を遺伝子導入すると、その用量依存性にspeckleを形成する、すなわちインフラマソームが活性化されることが観察された。ヒト遺伝子(13000種類)をレンチウイルス発現ベクターに組み込んだ96 well ベースのライブラリを導入し、それらをリポフェクションすることにより、スクリーニングを開始した。
3: やや遅れている
ライブラリの複製および96 wellでのベクター精製、遺伝子導入にあたり、最適化を行うことに時間を要した。
今後は、ライブラリスクリーニングを推進する。
試薬の購入に際して予算より低額で実験が行えた部分があったため。
過不足なく次年度に使用する予定である。
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J Immunol.
巻: 194 ページ: 773, 780
10.4049/jimmunol.1302841