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2014 年度 実績報告書

先進医療を推進するための感染症迅速診断法の確立と診療介入

研究課題

研究課題/領域番号 26293238
研究機関京都大学

研究代表者

一山 智  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30223118)

研究分担者 高倉 俊二  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10378630)
長尾 美紀  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80523993)
松村 康史  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80726828)
山本 正樹  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90726837)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード感染症 / 遺伝子検査 / 迅速診断
研究実績の概要

感染症診断のための検査法は日々進歩しており、遺伝子検査をはじめとした迅速診断法は日常診療でも応用されるようになった。しかし、感染症が重症化しうる免疫不全患者ほどさまざまな原因微生物を想定する必要があるにもかかわらず、多くの感染症で「なにを、どのような患者に検査すべきか」という、検査の標準化が遅れている。本研究では、確定診断が困難でかつ重症化が問題となる「A. Clostridium difficile 関連腸炎を代表とした院内下痢症B. 免疫不全者の肺炎C. 侵襲性真菌症」において、遺伝子検査法を含む迅速診断法を用いた検査のアルゴリズムを作成し、医療の質を向上させることを目的としている。今年度はリアルタイムPCRの系の確立をめざし、プライマーとプローブの設計とvalidation、実際に臨床検体を用いた検討を開始した。A. C. difficile関連腸炎ならびにB. 免疫不全者の肺炎についてはリアルタイムPCRの系が完成し、Aについては国内学会で成果を公表した。また、Bについては、冷凍保存された臨床検体を用いた検討で、既存法と同等の感度・特異度を有し、検出にかかる時間を約半分にすることが可能であることを確認した。また、今後の検討のため臨床検体の冷凍保存を行った。Cについては、βDグルカン採血管より自動抽出器を用いて真菌DNAを抽出する方法と真菌DNAを同定するPCR法について検討した。コスト・時間・効率の点から、最も優れた方法を選定中である。また、今後の検討のため検体を冷凍保存した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究テーマのうち、A. C. difficile関連腸炎ならびにB. 免疫不全者の肺炎(Pneumocystis肺炎とサイトメガロウイルス肺炎)については、新規構築した検査系は、実際に検査室で用いるレベルにまで到達している。また、今後、新規開発するアルゴリズム評価に必要な検体も前向きに収集できている。
C. 1-3βDグルカンならびに核酸PCR法を用いた侵襲性真菌症の早期診断に関しても、当初の計画通り進行している。全血からの菌体抽出、真菌破砕、自動抽出器を用いたDNA抽出までのステップを確立し、これを用いてPCRおよびDNAシークエンスによる真菌同定が可能となった。

今後の研究の推進方策

平成27年度にはA. C. difficile関連腸炎ならびにB. 免疫不全者の肺炎の迅速診断については、実際に検査部での運用開始を目標としている。実際に検査室に全自動検査機器を設置し、ルーチン業務として急性肺炎を呈した免疫抑制者の気道検体からの迅速検査を行う。これまで保存してあった検体の測定も行い、臨床情報と併せて解析し、診断アルゴリズムを作成する。また、この検査フローの導入による迅速診断の効果を判定する予定である。C.侵襲性真菌症の早期診断に関しては、保存された検体と前向きに収集する血液を用いて、遺伝子検査を行う。これにより、侵襲性真菌症患者でのβDグルカン検査の感度特異度を明らかにするとともに、BDG陽性患者のうち、偽陽性患者の割合を明らかにする。また、臨床情報を解析し、血液培養・BDG・真菌DNA検出・抗原検査の4つの検査法の比較検討を行い、診断アルゴリズムを作成する予定である。

次年度使用額が生じた理由

端数が残りました。

次年度使用額の使用計画

次年度の消耗品代に繰り越します。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CDトキシン検出における全自動核酸抽出増幅法と酵素免疫測定法の比較検討2015

    • 著者名/発表者名
      長尾 美紀
    • 学会等名
      日本感染症学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-04-15 – 2015-04-17

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公開日: 2016-06-01  

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