研究課題
(A. Clostridium difficile 関連腸炎を代表とした院内下痢症)C. difficile関連腸炎のリアルタイムPCRの系が完成し、国内学会で成果を公表した。また、京都大学医学部附属病院検査部に提出された検体を用いたvalidationも行い、2017年よりルーティン検査としての運用を開始した。(B. Pneumocystis jirovecii肺炎ならびにCytomegalovirus 肺炎の迅速診断)PneumocystisとCytomegalovirusについて全自動遺伝子検出装置(BDMAX)を用いた定量リアルタイムPCR検出系の新規構築を行った。京大病院においてPCPが疑われ、胸部画像診断で新規の陰影を呈した免疫抑制患者285例を対象として性能評価を行った。当該法は、対象患者の呼吸器検体を用いた検討で、既存法とほぼ同等の感度・特異度を有し、検出にかかる時間を約半分にすることが可能であった。(C. 1-3βDグルカンならびに核酸PCR法を用いた侵襲性真菌症の早期診断)深在性真菌症が疑われ、βDグルカンが陽性となった患者の血液検体を用いてPCR法により真菌の同定が可能か検討した。深在性カンジダ症28例の検討により、βDグルカン陰性患者においてもPCR法による検出が可能な場合があることが明らかとなり、迅速かつ菌種同定が可能なPCR法の診断的有用性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。