研究課題
27年度に明らかにした研究業績をもとに、28年度は以下の研究を行い成果が得られた。1)その変異の集積が、患者のウイルス量の低下につながるHLA-B*52:01(およびHLA-C*12:02)相関変異 に関して、まずこれらの変異部分を含むCTLエピトープの同定を試みた。Pol領域において2種類の新規HLA-B*52:01拘束性CTLエピトープと1種類の新規HLA-C*12:02拘束性CTLエピトープの同定に成功した。次にこれらの変異がエピトープ特異的CTLによって選択された逃避変異であるかを解析結果、エピトープ特異的CTLによって変異ペプチドおよび変異ウイルス感染細胞が全く認識されないか、認識の低下がみられた。さらに、これらの変異を持つウイルスはwild-typeのウイルスよりもin vitroウイルス増殖能が低いことが示された。以上の結果、HLA-B*52:01ならびにHLA-C*12:02拘束性CTLによって選択されたこれらの変異が感染者に蓄積することで、CTLによる排除とウイルス増殖能が低下し、pVLがコントロールされていることが明らかとなった。2)2つのHLA-C*12:02拘束性CTLの存在が、日本人感染者集団で、血中のウイルス量の低下、CD4 T細胞数の上昇と相関することを明らかにした。そのうちの1つのCTLエピトープ内の変異は、CTLの認識を大きく低下させ、逃避変異であることをしました。この2つのHLA-C*12:02拘束性CTLと4つのHLA-B*52:01拘束性CTLが、協調的に働き、血中のウイルス量の低下、CD4 T細胞数の上昇と相関することを明らかにした。これらの結果から、HLA-B*52:01-C*12:02ハプロタイプを持った感染者では、これらのCTLによりHIV-1の増殖を低下させていると示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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