現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先天性免疫不全症患者由来iPS細胞を、細網異形成症、GATA2欠損症、Wiskott-Aldrich症候群で樹立することができた。 ヒトiPS細胞から造血幹細胞および血液免疫系細胞への分化系を確立した。iPS細胞から造血幹細胞への分化は、10T1/2フィーダー細胞とVEGFを用いる確立した方法で行った。造血幹細胞からT細胞への分化は、10T1/2とOP9フィーダー細胞とサイトカインカクテルと培養する方法で行った。CD8 single positive T細胞へは、さらにallo抗原を発現した細胞と共培養することで得た。樹状細胞には, SCF, FL3, M-CSF, TPOなどを加えた培養に続き、GM-CSF, TNF-α, LPSなどを加えた培養を行って分化させた。好中球には、SCF, IL-3, TPO, FL3等を加えた培養により分化させた。巨核球、血小板は、TPO, SCFなどを加えて培養することで分化させた。 細網異形成症はメチローム解析により造血幹細胞での代謝障害があること、GATA2欠損症ではiPS細胞から造血幹細胞への分化障害があること、Wiskott-Aldrich症候群ではiPS細胞から血小板への分化障害があることを示した。 ヒトGATA2欠損症由来iPS細胞の遺伝子変異を、TALENのシステムを用いたゲノム編集により修復ことができた。ゲノム編集で変異を正常化したiPS細胞からの造血幹細胞への分化が正常化することを示した。 以上、今年度まで充分目標を達成することができた。
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