研究課題
今年度は虚血・再灌流モデルを用いたFGRラットモデルの確立と行動実験を行った。日齢4での体重はFGR群 7.72±0.80g、コントロール群 10.4±0.39gで有意差を認め(p<0.05)、FGRモデルラットが作成されることを確認した。行動実験ではrotarod、shuttle avoidance、open fieldを行った。rotarodについては日齢160に施行した。1日目FGR群が平均55.8秒に対しコントロール群が52.0秒(p=0.81 )、2日目は55.5秒に対し74.4秒(p=0.13)、3日目は75.5秒に対し65.3秒(p=0.53)、4日目は91.0秒に対し85.5秒(p=0.87)であり、日にちごとにばらつきが多く、有意差は認められないもののrotarodに一番慣れると考えられる最終日の4日目についてはFGRの平均値がコントロールを上回る結果となり、不安定な状況下での耐久性やバランスにコントロール群に比べFGR群が不利である可能性が示唆された。次にshuttle avoidanceについてメスを対象に日齢131~134,141で実験を行った。実験1日目ではFGR群における回避率の平均値47.0%に対しコントール群では45.0%(p=0.92)、2日目では59.0%に対し62.5%(p=0.28)、3日目では78.0%に対し62.5%(p=0.21)、4日目では74.0%に対し42.5%(p=0.64)、1週間間隔をあけた10日目では72.0%に対し65.0%(p=0.65)であり、いずれも有意差は認められず、危険回避とその長期記憶については特に有意差を認めなかった。最後にopen fieldについて日齢142~143で行った。有意差を認めた項目を挙げるとある一定時間内での動いた回数の平均値はFGR群で14.4回、コントロール群は7.5回(p=0.08)、動いた時間については70.6秒と31.1秒(p=0.018)、中心部で動いた距離については0.28mと0.25m(p=0.02)であった。以上からFGR群の方がコントロール群に比べより多動であり、また照度が高い中心部での活動が多く危険察知能力について劣る可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
リサーチカンファレンスを定期的におこない、研究代表者、分担研究者、研究協力者で進捗状況を報告した。研究遂行上での問題点などはカンファレンスで議論をして解決するよう努力した。
平成26年度と同様にリサーチカンファレンスを定期的におこない、研究の進捗状況を確認する。研究計画の変更を余儀なくされたり、研究遂行上での課題が発生したときはリサーチカンファレンスにて議論をおこない解決するようにする。
次年度使用額が生じた理由としては、①実験助手の勤務が予定より少なかったこと、②旅費が予定よりも節約できたこと、③研究に使用する試薬などの消耗品が以前の研究に使用した余剰を使うことができ研究費を節約できたことがあげられる。
平成26年度に使用しなかった研究費は各種抗体などの消耗品購入にあてる。
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